きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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有馬記念が終わりました。ゴールドシップが完勝、これで3年連続の3歳馬制覇になります。これまで2年連続はありましたが、3年連続は史上初です。

思うには、日本馬のレベルが想像以上に上がっていることです。一昔前までの有馬記念は最強世代決定戦の趣きがありました。ところが血統レベルの飛躍的向上はもちろんなのですが、配合ノウハウ、育成・調教技術などの革命的進歩により、全体の水準が高くなり、世代間のバラツキも縮小されました。

全体レベルが上がるとレースのレベルも厳しくなります。天皇賞秋、ジャパンC、有馬記念のハードルが上がりました。この秋3戦を最高の状態で戦い抜くのは至難の技になりました。今年のゴールドシップ、昨年のオルフェーヴルの秋は、神戸新聞杯、菊花賞、有馬記念のローテーションでした。古馬勢に比べて消耗が少なかったのは容易に想像できます。

そうなると消耗の激しい古馬57キロ(牝馬55キロ)に対して55キロ(同53キロ)の斤量的アドバンテージが生きてきます。3歳馬が強い凱旋門賞のような風貌を帯びてきました。もっとも凱旋門賞は古馬59.5キロ(牝馬58キロ)に対して3歳馬56キロ(同54.5キロ)とさらに3歳馬優位なのですが。

とは言え有馬記念を勝つような3歳馬は、相当にハイポテンシャルであることに間違いはありません。一昨年のヴィクトワールピサはドバイワールドCを制覇し、昨年のオルフェーヴルは凱旋門賞で2着惜敗、世界最高レベルの能力を誇示してきました。レースぶりに古武士のような風格を漂わせるゴールドシップ、彼の前にはどんな世界が開けているのでしょうか。

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