きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先週の新馬戦を除外されたトーセンレーヴが土曜の京都6R(芝1800m)でようやくデビューできそうです。

母がビワハイジ、ブエナビスタの弟ということになります。父がスペシャルウィークからディープインパクトに変わりましたが、同じサンデーサイレンス系で4分の3同血になります。ヘイルトゥリーズン、ターントゥのクロスはまったく同じで、異なっているのはノーザンダンサー5×4の経由先だけですね。姉はいずれもニジンスキーを通じているのに対して、弟は父系のリファール、母系のニジンスキーを経由して世界の競馬を席巻するノーザンダンサーの血を継いでいます。姉の集中凝縮か、弟のバランスか、面白い宿題になりそうです。

さて、デビュー前だというのに先のことを言うのも何ですが、2月中旬と遅い使い出しでダービーを勝った馬はいるのでしょうか。

戦前は3月の中山でデビューして、だいたい3~5戦目でダービー、そんなローテーションが普通でした。1939年のクモハタは5月20日の新馬戦を2着と取りこぼし、中5日で初勝利、そこから中1日の5月28日のダービーに臨み、デビュー後中1週で頂上を極める空前絶後の記録を樹立しています。競馬のシステムそのものが違うので参考にはなりませんが、マァ、凄い馬がいたものです。

戦後では2000年のダービー馬アグネスフライトが2月6日デビュー。5戦目にダービーを迎えエアシャカールとのハナ差の激闘を制し、見事にミレニアム(千年に一度)の王者に輝きます。しかし厳しいローテーションで激戦を続けた影響でしょうか、その後、彼は遂に勝利の美酒を味わうことはありませんでした。

デビュー3戦目でダービー馬になったフサイチコンコルド、彼もその後2走して勝てないままターフを去っています。ダービーとは、それほど厳しくも激しい消耗を強いるのでしょうか。

ダービーも競馬なら、そうではない競馬もあります。トーセンレーヴ、日本競馬の宝のような血統です。じっくり成長して姉同様に大輪を咲かせてほしいものです。

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