きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

作家で競馬評論家の山野浩一さんが今週の『週刊競馬ブック』で非常に興味をそそられる《仮説》を披露しています。

もともと山野さんはSF作家だけあって、その血統解説なども事実の羅列だけではなく、丁寧な分析に基づく精妙な仮説が散りばめられており、一編の物語を読むような楽しさ面白さが詰まっています。

世界的に血統の潮流は馬場の形状と深い関係にあり、高いレベルで一定の状態が保たれる近年はとくにそうだ、というのが山野さんの壮大な仮説の出発点になっています。

日本の軽い芝にはサンデーサイレンス系が比類ない適性を示し、スピードが生きるアメリカのダートではミスタープロスペクター系、ストームキャット系などが素晴らしい威力を発揮し、重い芝のヨーロッパではサドラーズウェルズ系が猛威をふるう、大ざっぱにはこういうことになります。

もちろん例外もあります。ミスプロ系のキングマンボは、日本でもヨーロッパでも走ったエルコンドルパサーを出しています。アメリカで成功したサドラーズウェルズ系種牡馬もいます。しかし例外は例外、と山野さんはおっしゃっています。また、次世代の世界血統の主流形成に大きな影響を及ぼすのはオールウェザーという馬場の新形状ではないか、とも。

オールウェザーと血統の新潮流との関係?このあたりは明日お届けしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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