きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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昨日の阪神、G2阪神ジャンプステークスに感動しました。勝ったオープンガーデンは今月から発足した菊沢隆徳厩舎の管理馬。厩舎の初勝利が初重賞という思っても叶わない快挙でした。

オープンガーデンは先月までは郷原洋行厩舎に所属していました。郷原厩舎ゆかりの名ジャンパー・ゴーカイの産駒で、中山大障害2着などG1制覇まで後一歩の実力馬です。

1年近く休養していたこの実力馬を焦らずたゆまず立て直し、自分の勇退の花道を飾るより後輩の門出の餞(はなむけ)を選んだ薩摩男児らしい郷原元調教師の男気が走ったんだ、先輩の思いを真っ直ぐに繋いだ菊沢調教師の一途さが駆けたんだ、そう思うと胸に迫るものがありました。近代的に管理されたトレセンもいいのですが、厩舎にはこういう“いい話”が似合うと思うのは古いでしょうか。

菊沢調教師は騎手時代から調教技術の高さに一目も二目もおかれていた存在です。それがため滞在競馬のローカル開催を任されることが多く、華やかな中央開催では活躍の場が少なかった印象もあり、ジョッキーとしては、どちらかいえば地味ななほうでした。

でもローカル開催で積み上げた貴重な経験が今度は正面きって活かされるときが来ました。ぜひ素晴らしい馬を育て上げてください。馬主さんはどうぞ彼にいい馬を任せてやってください。感動を与えてくれる調教師さんは大事にしたいですから。

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