きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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6着、中止、6着、6着、2着、6着、11着、8着、9着、12着、6着、4着、7着、4着、12着、8着、11着、これまでドバイワールドCに出走した日本馬の成績です。

2001年に牝馬のトゥザヴィクトリーが2着に健闘し、ダート適性の高い牡馬のトップクラスが行けば勝てるかも、そう思わせた一時期もありましたが、チャンピオンホースが次々とドバイの砂に沈みました。角居勝彦厩舎のカネヒキリ(4着)もそんな1頭でした。コースや馬の鍛え方などそもそも競馬が違うのだ、そんな悲観論すら聞こえるようになっていました。

今回のヴィクトワールピサの快挙は悲観論を覆すばかりか、日本の競馬に新しい次元を開くものだったと思います。角居調教師は、05年アメリカンオークスのシーザリオ、同年の香港マイルのハットトリック、06年のメルボルンCでのデルタブルース、ポップロックのワントゥーなど過去に国際G1を3勝もあげています。

素晴らしい成績です。しかし勝ったレースも多いけれど、負けたレースも少なくないトレーナーだろうと思います。先ほどのカネヒキリもそうですが、ウオッカなんかはドバイ遠征4戦4敗でした。ヴィクトワールピサも昨年のフランス遠征は2戦2敗でしたね。オーナーの市川義美さんもG1はピサの皐月賞が初めてで長い間、悔しさを味わい続けてきた方です。

輝かしい勝利の栄光の裏に恥をかいたり屈辱を噛みしめる経験が山ほどあったのでしょう。それでも挑戦する勇気をあきらめない、デムーロ騎手の絶対にあきらめない騎乗ぶりも含めて、チームピサがはるか中東の地から発信してくれたメッセージは、未曾有の震災に苦しむ日本にとって最高の励ましになりました。

国際舞台に出続けるのが日本の競馬を強くするのだと思います。ヴィクトワールピサは4月末の香港の国際G1レース、クイーンエリザベス2世C(2000m)の予定もあるそうです。今回、ドバイデューティフリーを勝ったライアン・ムーア騎手のプレスヴィスあたりが強敵になるのでしょうか。チームヴィクトワールピサの挑戦に期待したいと思います。

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