きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週初めの話になりますが、大井競馬の的場文男騎手が史上2位の通算勝利を記録しました。6129勝というのは想像を絶する大記録です。偉業と讃えられていいでしょう。立派な金字塔ですね。

歴代の王者はご存じのように鉄人・佐々木竹見騎手の7151勝、もう破られることはないだろうな、そんな大記録です。それどころか5000勝とか6000勝とかそういうレベルに達する人がいるかどうか、まさに雲の上でさん然と輝く不滅の高みに思えました。

ところがそういうレベルの騎手が現れた、それも一人じゃなくて同時期に二人も。驚きです。ご承知のように歴代3位は船橋所属の石崎隆之騎手です。的場騎手の6129勝に対して6127勝、わずか2勝差。1956年生まれの同い年の二人は、これからも毎レースのように歴代2位の座を争って切磋琢磨、しのぎを削り続けるのでしょうね。南関東競馬に新しい楽しみが誕生しました。

的場さん、石崎さんの記録がどれほど凄いかというと、比べていいのかどうか分かりませんが、南関東を代表するエースジョッキーだった内田博幸騎手が中央移籍以前に上げた勝ち鞍が3153勝でした。ちなみに安藤勝己騎手も地方時代は通算3299勝でしたね。中央では武豊騎手の3394勝がここまでの最高です。

安藤騎手は東海公営の絶対的なエースでした。内田騎手は地方時代に年間500勝近い記録を残している男です。そのまま南関東に残っていれば5000勝、6000勝到達もあるいは夢ではなかった気もします。

でも4000勝、5000勝、6000勝という壁がいかに高いことか。同時代に二人の6000勝ジョッキーを持てたことは地方のみならず全ホースマンの誇りだろうと思います。

さて、的場騎手は昔から、石崎騎手も最近は中央での騎乗機会がめっきり少なくなっています。お二人が南関東競馬をこよなく愛して、そこに全力を傾けているからでしょうが、たまには中央のファンにも英雄の姿を見せてください。

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