きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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大種牡馬サドラーズウェルズが亡くなったお話をしました。海外マスコミは“追悼特集”を企画したりするわけですが、《あなたが一番好きなサドラーズウェルズ産駒は?》みたいなアンケートも行われています。

G1ホースだけで60頭以上を輩出していますから、人によっていろんな“思い出の馬”がいるんでしょうが、結局は日本で言うとガリレオ、モンジューのどっちだ、そんな議論に間違いなくなるのでしょうね。

ところが、そうならないのがお国柄でしょうか。全体の3分の1の票を集めてダントツの1位に輝いたのが、イスタブラクという障害ランナーでした。チャンピオンハードル3連覇という偉業を成し遂げています。イギリスでは平地のシーズンオフを中心に行われる障害レースが、大変に人気があると聞いていましたが、まさかここまでとは。

2位がアスコットゴールドC4連覇のイェーツ。ロイヤルアスコットの名物レースで人気の高いG1ですね。両馬に共通するのは長く元気に走ったことです。イスタブラクは10歳まで、イェーツは7歳まで現役を続けました。チャンピオンクラスの馬は3歳シーズンで引退というのが当たり前のようになっている欧米の馬産界ですが、ファンの思いは別のところにあるいうことでしょうか。

最近では先ごろ亡くなったジェス・ジャクソンさん、カーリン、レイチェルアレクサンドラのオーナーですが、名馬は簡単に引退させるべきではないと主張する人も増えています。BCマイル3連覇のゴルディコヴァを6歳の今年も走らせるシャネルオーナーで有名なヴェルトハイマー家もそうですね。ファンの願いを大事にする風潮が生まれてきているのでしょうか。

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