きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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1853年にマシュー・ペリー提督が率いる黒船が来航しました。主目的は捕鯨基地として日本の港を使わせろみたなことでした。時代が流れてサラブレッドのクロフネに牝駒が誕生します。芦毛のその馬はホエールキャプチャと名付けられます。直訳すれば捕鯨船でしょうか。

生産者の千代田牧場にとっては大事な血統です。4代母にチヨダマサコの名前が見えます。彼女の曽祖母オーハヤブサはオークスを勝った名牝で偉大なビューチフルドリーマーに連なる名血です。

このチヨダマサコが1987年秋に信じられない大仕事をします。産駒のニッポーテイオーが11月1日に天皇賞を制覇すると3週間後の22日にマイルチャンピオンシップも制してしまいます。これだけでも大変なことなのに間の15日にはテイオーの妹がエリザベス女王杯を戴冠、わずか20日あまりでG1を3勝する快挙を成し遂げます。そのチヨダマサコの娘がタレンティドガールでした。ホエールキャプチャの曽祖母にあたります。

生産者冥利に尽きる20日あまりを経験させてくれたチヨダマサコの血がオークスの晴れ舞台で踊ります。牧場オーナーの飯田正剛さんは当協会の会員さんですが、オーナーブリーダー馬だった桜花賞3着のトレンドハンターが骨折で引退という悲しい思いも味わっています。その分ホエールキャプチャにかける思いもひとしおでしょう。

ちなみに東海Sのバーディバーディも飯田さんの生産馬ですね。ダートG1戦線で惜しい競馬を繰り返しています。まだ4歳の若さを考えると、そろそろかもしれません。東で西で、87年の奇跡が再現されるといいですね。

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