きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ユニコーンSには“G1馬への登龍門”みたいなイメージがあります。実際に96年第1回の勝ち馬シンコウウィンディは翌年のG1に昇格したばかりのフェブラリーSを制しました。第2回のタイキシャトルはご紹介するまでもないでしょう。以降もウイングアロー、ゴールドティアラ、アグネスデジタルと第1回から数えて5年連続で後のG1馬を輩出しています。G1のジャパンダートダービーを勝つよりG3のユニコーンSを勝つ方が難しいと言われた時代でした。

21世紀に入ってからは少し低調ですが、それでもユートピア、カネヒキリといった一流馬を出しました。いささか低調な理由はそれまでクラシックに無縁だった外国産馬に出走権が与えられたことが影響しているのでしょうか。ダート路線で稼いでダービーの晴れ舞台に上るサクセスブロッケンのような馬も例年必ずいます。後にダートG1を勝ちまくったヴァーミリアンなんかも秋まではクラシック志向が強いローテーションでしたね。要は年々ユニコーンS出走馬の層が手薄になっているのでしょう。

では、今年はどうなんでしょうか。ビッグロマンスなんかはちょっとサクセスブロッケン風で、ダート4戦3勝2着1回の好成績で皐月賞に向かい大敗しました。ここからがブロッケンと違うところで、出走しようと思えばできたダービーをさっさと見送り、ユニコーンSに標的を切り換えています。すでに全日本2歳優駿でG1を勝っており、この先もG1制覇のチャンスがありそうに思えます。

ディープインパクト唯一の(?)ダートでの成功馬ボレアスは母が兵庫ジュニアグランプリ3着などのダート適性を見せました。祖母クロカミは京王杯オータムH、府中牝馬Sなど芝路線で大活躍しダートは使われていませんが、近親のハードクリスタルはダートG2の東海Sを勝ち、交流重賞の常連として活躍しています。この母系にボレアスの砂適性が秘められているのでしょうね。

いずれにしろG1より勝つことが難しいG3、そんなハイレベルな戦いを期待したいと思います。

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