きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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《凱旋門賞を勝ったら即引退、負ければジャパンCに》という市川義美オーナーの発言に賛否両論が渦巻いています。昨日もお伝えしたようにドバイワールドCと凱旋門賞、まったく異なるカテゴリーで二冠を制した馬は過去に皆無です。この名馬のレースを日本でも見たいというファンは多いようです。そんなことからヴィクトワールピサの掲示板が炎上気味です。

気持ちは良く分かります。ファンが購入する馬券で成り立っている日本競馬の特殊事情、それも十分に理解しています。しかし、その他もろもろの諸状況を踏まえた上で決断されたオーナーの意向はもっと尊重されてしかるべきだと思います。

市川さんは長年にわたって馬主を続けられてこられましたが、G1を制覇したのはヴィクトワールピサが初めてです。G1を勝つことの難しさを誰より深く知っているお一人です。まして海外G1となればなおさらでしょう。そうしたすべてを知り尽くした上での今回の決断なのですから、何より優先して敬意を払われるべきではないでしょうか。

今年の凱旋門賞はかなり骨っぽいです。近年のシーザスターズやザルカヴァも強い馬でしたが、メンバーの質という点からは今年が一枚上かもしれません。のちに《21世紀最強メンバー》と言われるような気さえします。そうしたことも頭にお入れになって市川さんは《勝ったら引退》という言葉で挑戦の決意を確かめたのでしょう。市川さんの勇気と強いお気持ちにエールを贈りたいと思います。

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