きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

お待たせいたしました。7月10日の中山最終日に行われるチャリティオークション、当協会会員さんよりの出品の品々の発表です。詳しくはこちらをご覧いただきたいのですが、世の中にたった一つしかないような希少な品々ばかりです。中にはハービンジャーの蹄鉄なんて珍しいものもあります。昨年のキングジョージを圧勝、ワールドサラブレッドランキングで断然の世界ナンバーワンに選ばれた期待の種牡馬です。ご検討いただき、当日はぜひ中山競馬場へお出かけください。

さて、宝塚記念は前売りでブエナビスタとルーラーシップがともに2.9倍のオッズで譲らず1番人気を争っています。サンデーレーシングはこの2頭に加えてドリームジャーニー、ローズキングダムという豪華絢爛なラインナップです。ノースヒルズマネジメントを経営する前田幸治さんも3頭出し。厩舎という面からは池江泰寿調教師が5頭出しで話題ですね。

こうした光景は海外では珍しくありません。大オーナーブリーダーが競馬のリーダーシップをとり、所有する優秀な馬を専属調教師に預託するからです。馬房制限がないため分散して預託する必要がないからです。

情熱あふれるオーナーが優秀な調教師を信頼し、才気ある腕達者のジョッキーが騎乗するシステムが、欧米のサラブレッドの根底には流れています。たぶん長い歴史の中で積み上げてきた経験から強い馬づくりには最良の仕組みだと考えられているのでしょう。

馬づくりは工場から素晴らしい製品を送り出すようなことではなく、クリエイティブ(創造的)な仕事だと信じられているのです。世界の最高峰のレベルがここにあるとしたら、日本の競馬もそこをめざさざるを得ないでしょう。その先駆け的な現象が今回の宝塚記念だと思っています。

ところで宝塚記念は勝ち馬にBCターフ優先出走権が与えられるBCチャレンジに今年から指定されました。このプレップレースは全体で9カ国68競走、BCターフに限れば6カ国9レースが指定されています。フランスのサンクルー大賞、イギリスのキングジョージ、アイルランドのチャンピオンSなど伝統の名レースが名を連ねます。単純に言えば、そういうレースと肩を並べたということでしょうか。

それはさておき、BCターフに参戦した日本馬はまだいません。天皇賞・秋の翌週に開催される時期的な問題が大きいのでしょうが、賞金総額が300万ドルと天皇賞やジャパンCを下回り、宝塚記念とほぼ同額というレベルなのもネックなのでしょう。優先出走権と言っても馬によっては多額な追加登録料が必要とか、いろいろ精度的な問題もあります。でも勝ち馬にはぜひチャーチルダウンズへ出かけてほしいですね。世界が盛り上がり日本の競馬もさらにレベルアップするには避けては通れない道だと思います。

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