きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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明日は大井競馬場で交流G1帝王賞(2000m)が行われます。今回は地方の雄フリオーソが出走自重ということで、スマートファルコンVSエスポワールシチーの一騎打ち?

さて、帝王賞はダートサマーチャンピオン決定戦ですが、チャンピオンロードという観点からは浮いて見えます。開催時期がちょっと中途半端だからです。現在のダート路線の実質的なチャンピオンロードは、11月初旬初旬のJBCクラシックにはじまって、12月上旬のジャパンCダート、暮れの東京大賞典へと続きます。2ヶ月足らずの短期間に3走とヘビーな日程になっています。

この3大レースを同一年に制したのが07年のヴァーミリアンです。何頭もの実力馬がこの関門に挑みましたが、“三冠”制覇には至っていません。ヴァーミリアンだけが実現できたのは、もちろん卓越した能力にあるのは間違いがないのですが、ひとつには帝王賞をパスして秋に備えたこともありそうです。

7月の声を聞こうかという時期に激戦を戦って、その疲れも癒えないままに秋をスタートさせるというのは、素人目に考えても相当に過酷な状況に映ります。ヴァーミリアン自身、09年に三冠に再チャレンジしていますが、このときは帝王賞経由だったためか、JBCクラシックは勝ったものの息切れしてしまいました。フリオーソも過去に二度、帝王賞Vから秋に挑んでいますが、目標を完遂することはできませんでした。今回の帝王賞自重は秋の大目標達成に備えての川島正行調教師の深謀遠慮なのでしょうか。

もともと帝王賞は4月に行われていました。全体レベルの上がっているダート界の実情を踏まえれば、これくらいの時期がちょうどいいのかなと思ったりします。3月下旬のドバイワールドCとかぶるという問題はあるのですが、JBCクラシックもブリーダーズCと時期が重なっていますし、限られた日程の中で100%を求めるのは無理でしょう。帝王賞の威信が低下するような気がします。ちょっと考えてみたい問題です。

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