きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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お屠蘇気分がさめないままに、もう正月3日です。さて、去年の世代別カテゴリーでのトップホースを見ていくと、2歳は、牡馬グランプリボス、牝馬レーヴディソール、3歳牝馬のアパパネまでは大きな異論はなさそうです。3歳牡馬はヴィクトワールピサ、ローズキングダム、どちらかなのでしょうが、人によって様々かもしれません。

古馬陣では、牝馬のブエナビスタは文句なしでしょう。牡馬も宝塚記念を勝ち、凱旋門賞2着のナカヤマフェスタ、ワールドクラスの活躍に1票が入りそうな気がします。

では、年度代表馬の勲章はどの馬にふさわしいのか?2010年の日本競馬シーンを代表するという意味ならブエナビスタで断然でしょうね。春は京都記念1着に始まってドバイシーマクラシック2着、G1のヴィクトリアマイル完勝を挟んで、宝塚2着、秋は天皇賞1着、ジャパンC2着(1着降着)、有馬2着でしたね。年間を通じて大レースばかりで見事な走りを見せてくれました。でも、“年度最強”という視点から見るとどうなんでしょうか?

ちょっと状況が似ているなと思うのが1998年のことです。前年、古馬牝馬のエアグルーヴは天皇賞1着、JC2着、有馬3着、ブエナビスタを彷彿とさせる活躍ぶりで、この年も宝塚3着、エリザベス女王杯3着、JC2着、有馬5着の結果を残していました。

ところが3歳世代が強かったのも共通していて、セイウンスカイが皐月賞と菊花賞を勝ち、有馬は4着と一息、スペシャルウィークはダービー制覇しますが菊花賞は2着に惜敗、ジャパンCに挑みますが3着と一歩届きませんでした。ジャパンCを勝ったのは3歳外国産馬のエルコンドルパサー、有馬記念で有終の美を飾ったのは同じくグランスワンダーでした。どの馬が年度代表馬に選ばれても不思議ではない混戦でした。

ところがどの馬も年度代表馬にはなれませんでした。この年のチャンピオンに君臨したのはタイキシャトルです。安田記念、ジャックルマロワ賞、マイルチャンピオンシップと日仏のマイルG1をいずれも圧倒的な強さで勝ってきました。この当時のタイキシャトルは異次元の強さを発揮しており、“年度代表”というより“年度最強”というイメージが強かったです。

この“最強馬”タイキシャトルは引退しますが、“最強3歳世代”の激闘は翌年も続くことになります。このあたりは明日お届けしたいと思います。

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