きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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昨夜のというより今朝の“なでしこJAPAN”素晴らしい勝利でした。最上級のサラブレッドによる最高のマッチレースのようでした。死力を振り絞って並走し、相手が一歩先に出れば追いつく、追いつかれたら再び引き離そうとする、また並ぶ、体力と精神力の限界を超えるような勝負を見せてもらいました。華麗さとかはまるで無縁で、ひたすら球に食らいついて体を張って、それでも泥臭いというのではなくて、立派でした。

何があそこまで彼女たちを気高く見せるのでしょうか?宮間選手の勝利後のコメントに感動させられました。『自分は米国代表にも友人が多く、敬意を表さないといけないので、表彰式も落ち着いていました』ワールドC勝利という奇跡的な偉業に舞い上がるのではなく、敗者への節度、尊敬の念を忘れていません。凄いことです。アスリートとしての栄光の輝きより、人間としての慎み深さ、大きさみたいなものが感じられました。

ゴールの瞬間のガッツポーズも良いけれど、競馬にも彼女たちのような節度があっても良いだろうと思います。その方が勝者をより美しく見せるときもあるのです。またひとつ、スポーツの奥の深さを教えられた気がします。

さて、“なでしこの戦い”はアイルランドでも行われました。英愛仏のヨーロッパクラシックの最終戦・愛オークスです。英オークスの1、2着馬ダンシングレインとワンダーオブワンダーズを同4着のブルーバンティングが破って雪辱を遂げました。ブルーバンティングは英1000ギニーに続き2冠目の戴冠です。昨年は英愛のデュアルオークスをスノーフェアリーが制覇して、秋には日本のエリザベス女王杯と香港カップを連覇しました。今年のゴドルフィンの牝馬は来日してくれるのでしょうか。

台風が近づいているようです。進路にお住まいの方はくれぐれもお気をつけください。

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