きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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G1レースになるとJRAからプレ・レーティングが発表されます。出走各馬が見せた過去のパフォーマンスを数値化したものです。もちろんレースがレーティングどおり収まるものではありません。しかし個人的には世界のハンデキャッパーが知見を絞るこのレーティングというシステムをけっこう信頼しています。長い目で見ればその精度は相当なものだと思っています。

スプリンター部門で世界No.1はデビュー以来13連勝中の牝馬オーストラリアのブラックキャビアの130ポンドですが、それに次ぐのがロケットマンで125ポンドが与えれています。ブラックキャビアがオーストラリア国内だけの実績に対して、ロケットマンはシンガポールを拠点に香港、ドバイとワールドクラスの舞台で戦って21戦17勝2着4回の戦歴に加え、牡牝の差を考えればもう少し高く評価されて良いと思います。

それはさておき、今回のスプリンターズSで日本馬の最高がダッシャーゴーゴーの114ポンド、ホームの有利さを加味してもキロ換算で約5キロ、その実力差は歴然というしかありません。ハンデ戦で57キロ対62キロで好勝負している馬同士が57キロの同斤量で走ったらどうなるかというお話です。

まぁ、競馬のことですからやってみないと分かりませんが、ここは世界のレベルというものを見せてもらいたいものです。日本の競馬の将来のためにもそうあってほしいと思います。

なぜなら日本の重賞レースはすべてが国際開放されており、ごく一部を除けば日本のG3より賞金の安いG1がほとんどの海外馬が本気で日本進出を考え始めたら大変なことになります。実際に来ようと思えば、制度的にはいつでも来られます。世界のレベルを知り、それに負けないような馬づくりに励む、今回のロケットマンはそうした“黒船”の一隻であり、競馬界にも坂本龍馬のような人が必要なのかもしれません。

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