きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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昨日は海の向こうもこちらも大波乱の1日となりました。凱旋門賞では吉田照哉さんが半分の権利を保有するドイツ調教馬の牝馬デインドリームが圧勝してみせました。次走は日本のエリザベス女王杯になるのでしょうか。一方、中山のスプリンターズSも上位人気馬総崩れ、夏の上がり馬がワン、トゥ、スリーと意外な幕切れでした。

レースにはおのずと格というものがあるような気がしています。謳い文句、またはコンセプトと言ってもいいのですが、そのレースの特質を一言で現せるようなことです。秋競馬開幕の開幕を告げるG2セントウルSは、最近は香港からの遠征馬が加わって馬券を複雑にしていますが、基本的には夏の上がり馬か休養明けの実力馬か、謳い文句です。

これがG1スプリンターズSとなると、一転して実力馬同士の激突がキャッチコピーになります。勢いだけではなかなか勝てないのがG1レースです。ところが今年のスプリンターズSで掲示板の上位を占めたのは、夏競馬で力をつけてきた上がり馬ばかりでした。

スタートでビービーガルダンの放馬事故があったり、四角でロケットマンが馬群を捌くのにもたついたり、直線でラッキーナインの進路がなくなったり、いくつかちょっと想定外のアクシデント(?)がありましたが、これも競馬、そういった範疇だったと思います。シンボリルドルフやディープインパクトでも負けるのが競馬です。

勝ったカレンチャンは1頭だけ次元の違うレースをしました。パドトロワ、エーシンヴァーゴウも頑張りました。寂しかったのは実力馬がそれらしい競馬ができなかったことです。この先、日本のスプリント界はどうなってしまうのだろう、そんなことまで考えさせられるスプリンターズSでした。

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