きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

三冠馬、血の継承

10月25日は、大塚 海渡 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

日曜は京都競馬場で菊花賞が行われます。3歳クラシック最終章。前日オッズでは三冠を狙うコントレイルが単勝1.1倍と圧倒的支持を集めています。2番人気のバビットが単勝15.3倍ですから、無敗の三冠馬誕生はほぼ当確といったオッズ上での状況です。コントレイルが勝てば、2011年オルフェーヴル以来となる8頭目の三冠制覇、シンボリルドルフ、ディープインパクトに次ぐ史上3頭目の無敗で三冠達成となります。

コントレイルの父ディープインパクトが、ただ1頭次元の違う脚で京都3000mを駆け抜けたのが2005年でした。単勝1.0倍。2番人気シックスセンスが20.7倍でオッズ上でもその差を広げ、京都競馬場に詰めかけた13万人の観衆の前でディープインパクトは豪脚を披露。拍手喝采、2番手追走から逃げ切りを図るアドマイヤジャパンを上がり33秒3の末脚で捉え、無敗の三冠馬となりました。
ディープインパクトは父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘアの血統で、日本競馬を変えたサンデーサイレンス後期の仔になります。日本に輸入され、1992年のフジキセキから始まったサンデーサイレンス産駒G1制覇は、以後毎年のようにクラシック馬を送り出していきました。そのサンデーサイレンスが死去したのが2002年8月。ちょうどディープインパクトが産まれた年でした。サンデーなき日本競馬の行く末を切り開くためにも、サンデーから三冠馬を、そんな想いもファンも含めて競馬界に流れていたように記憶しています。

無敗で三冠馬となり、種牡馬としても数多くの活躍馬を送り出したディープインパクトが、昨年7月にこの世を去りました。ディープ産駒なき日本競馬が訪れようとしているいま、サンデーなき日本競馬を受け継ぎ、そして飛躍させていった父ディープインパクトと同じ物語がぐるりと巡ってコントレイルにふりかかっているのはとても不思議な出来事のように感じます。

時に刺客が現れその道を塞いだ歴史もある菊花賞ですが、コントレイルは偉大なる父ディープインパクトがたどった道を歩むことができるでしょうか。

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