きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

アーバンシー伝説

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凱旋門賞まで1ヶ月を切り、今週末は大一番へのファイナルラウンドが各地で行われます。アイルランドで愛チャンピオンS、イギリスはセントレジャー、ドイツでバーデン大賞と本番に直結するケースも多い著名レースがが並びます。そして地元フランスのパリロンシャン競馬場では本番と同コース同距離のパリ大賞、ヴェルメイユ賞、フォア賞が一挙に同日開催されます。おまけにアイルランドのカテゴリー別の王者決定戦チャンピオンズデイのG1メイトロンSではディープインパクトのファンシーブルーとロードカナロアのノウイットオールの直接対決が見られるかもしれません。世界中の競馬ファンの夢をギッシリ詰め込んだ最高の週末になりそうです。

ここまでのところ、史上初の3度目の制覇を目指す女王エネイブル、破竹の勢いで連勝街道を突っ走るラヴと牝馬2頭が人気の中心です。近年の凱旋門賞はガリレオやシーザスターズなど歴史的名馬の母であり、自身が凱旋門賞馬というアーバンシーの血を何らかの形で受け継ぐ馬たちが大活躍しています。昨年は1着ヴァルトガイスト以下5着まで掲示板内の馬すべてが、一昨年は8着までの全馬がアーバンシーの血を抱えていました。この傾向は16年のファウンド・ハイランドリール・オーダーオブセントジョージのガリレオ&オブライエン厩舎のワントゥースリー伝説から絶えることなく続いています。ガリレオ、シーザスターズも凄い種牡馬ですが、アーバンシーも歴史に2頭とはいない名牝の中の名牝です。現在は父や父父、母父の母のポジションで、5代血統表から名が消えるには、まだ時間があります。

ご多分に漏れず、今年有力視される2頭も、エネイブルは父父に、ラヴは父にガリレオの名があり、ともにアーバンシーを血を内包しています。今季4戦4勝とゴドルフィンが自信満々に送り込むガイヤースも母父ガリレオですから、条件に不足はありません。果たして「アーバンシー伝説」は不朽の輝きを放ち続けるのか?目には見えないコロナウィルスに襲われ大変な1年でしたが、今年の凱旋門賞が、いつまでも人々の記憶に残るような名レースとなるよう祈る思いです。

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