きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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JRAから来年の競馬番組が発表されました。やはり有馬記念は3日間開催の中日に組まれています。

来年は天皇誕生日が日曜にあたるため月曜が振替休日となり、3日間開催が実現したわけですが、売上の見込める日曜に有馬記念をという判断が働いたのでしょう。多くの方々が“競馬納めは有馬記念で”と違和感を訴えていましたが、受け入れられなかったのは残念です。

凱旋門賞は10月の第一日曜日に決められています。メルボルンCは11月1日に国民の祝日として行われます。日本でも昭和時代まで春の天皇賞は曜日にかかわらず、4月29日の天皇誕生日に固定され開催されていました。

そうすることで競馬ファンの枠を超えた多くの人々に愛され、結果的に競馬の普及や底上げに貢献してきました。普段は馬券に無縁な人々もこのレースだけは参加する、この日だけは競馬が普通の生活に溶け込んでいる、“競馬納め”としての有馬記念もそうした意義を持っていました。

話題を呼んだ《もしドラ》風に言えば(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)競馬にとって顧客は誰なんだろうということでしょうか。

もちろん毎週のように馬券を買ってくれるファンは大切です。でも年に一度か二度しか買わない人々も大切です。馬券は買わないがテレビや新聞で競馬に親しんでくれる人も欠かせない存在だと思います。そうした人が多くいればいるほど、競馬は市民の生活に溶け込んだものになっていくからです。“競馬納めは有馬記念で”というイメージは重要だと思います。再来年はどうなるか分からないのですが、国民が抱くイメージを大切に番組編成してほしいですね。

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