きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) キーンランドカップ

9月に入り、夏の開催も残りわずかとなりました、先週は札幌競馬場で、サマースプリントシリーズ・キーンランドカップ(GIII)、新潟で、2歳重賞・新潟2歳ステークス(GIII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、キーンランドカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

キーンランドカップ 京雅

夏寵児
強い夢見ゆ
駆けて追う
ザ・剛脚は
ルンルンで勝ち

隠れたメッセージは「なつかざる じゆうはち → 夏飾る 十八」です。
夏()寵児(
強()い夢見ゆ(
駆()けて追う(
ザ()・剛脚は(
ル()ンルンで勝ち(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
サマースプリントシリーズ第5戦に指定されているキーンランドカップ。今年は小雨が降る中での夏の決戦となりました。制したのは2018年のブリーズアップセール出身馬、エイティーンガール。
最後方からレースを進めたエイティーンガール。3コーナーから徐々に進出し、直線では大外に持ち出します。前を行く馬たちはハイペースと渋る馬場で伸びあぐねるなか、エイティーンガールだけが一頭違う脚で強襲。ゴール手前できっちりと差し切り、優勝しました。
エイティーンガール、直訳すると「18(じゅうはち) 少女」。エイティーンガールが、18歳の少女の青春を彷彿とさせるような走りで札幌の夏を勝利で飾りました。

エイティーンガールはメンバー上り最速の34.7秒で駆け抜けました。他馬の最速が35.3秒ですから、まさに剛脚で駆けて追った先に重賞初勝利が待っていた・・・という光景をエイティーンガールは見ていたでしょう。
サマースプリントシリーズは3ポイント差に5頭がひしめき合う混戦。最終戦・セントウルステークス(GII)で、今年の夏のスプリント王が決定します。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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