きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2020.9.18 女王陛下のディープ娘

9月18日は、山田敬士騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます！
ようこそいらっしゃいませ。

先日イギリスのケンプトンパーク競馬場で、エリザベス女王陛下の愛馬ポートフォリオがデビュー戦を迎えました。ケンプトンパークはオールウェザー（AW）専門ですが、昨年・今年とエネイブルが凱旋門賞へのステップレースとして使ったG3セプテンバーSが行われることで有名で、ポートフォリオのサー・マイケル・スタウト調教師も昨年は管理馬クリスタルオーシャンでエネイブルと一騎打ちを演じた馴染み深い競馬場です。さて、経験馬相手のメイドン（未勝利戦）AW1400mに挑んだポートフォリオは、持ち前のスピードを発揮して軽快に逃げ、ゴール前で1番人気の経験馬にクビだけ差し切られましたが、今後に楽しみを繋ぐ良いレースでした。父ディープインパクト、母ディプロマの血統で、日本生まれの2歳牝馬です。

ご承知のように、日本競馬の至宝ディープインパクトは、エリザベス女王の所有馬だったハイクレアの曽孫にあたり、女王はディープの動向に強い関心をお持ちだったようです。ドバウィ産駒のディプロマを、はるばる日本に送り込みディープを種付けして生まれた女王ご執心のロイヤル血統です。ハイクレアは英1000ギニーで女王にクラシックの栄誉を戴冠させ、仏オークスでは秋に凱旋門賞でクビ差2着に大健闘したコンテッサデロワールを2馬身破る完勝で連勝を飾っています。オークスの舞台を、2400mのイギリス・エプソムではなく、2100mのフランス・シャンティイに選んだように、スピード自慢の馬だったようです。

ロイヤル一族に遡るディープインパクトは、海外では優秀なマイラー血統として高く評価されています。仏1000ギニーのビューティーパーラー、英2000ギニーのサクソンウォリアーを上げるまでもなく、クラシックはマイル領域での非凡な実績に加えて、ハイクレアのイメージがヨーロッパのホースマンに根強いことも影響しているのでしょうね。ポートフォリオには1歳の全弟がいるそうで、女王陛下のワクワクドキドキが当分の間は続きそうです。

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