きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 関屋記念

先週は新潟でサマーマイルシリーズの関屋記念(GIII)が、小倉でサマー2000シリーズの小倉記念(GIII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは、関屋記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

関屋記念 京雅

なんとまあ
突き抜けスター
伸びるのさ
追い越せサマー
馬快勝だ

隠れたメッセージは「なつのおう あーさーだ → 夏の王 アーサーだ」です。
な()んとまあ(
突()き抜けスター(
伸()びるのさ(
追()い越せサマー(
馬()快勝だ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
第55回を迎えた新潟、夏の名物マイル重賞・関屋記念。18頭フルゲートで夏らしく熱い戦いが行われました。
優勝したのは2年前のエプソムカップ(GIII)以来の勝利となったサトノアーサーでした。スタートではやや立ち遅れ後方になるもののそこから慌てずにじっくりと脚を溜めます。4コーナーで、外を回さず、馬群を縫うように進出を開始すると、長い直線でも上手く進路を見つけ、馬場の真ん中から突き抜けてきました。メンバー中唯一の、33秒台の末脚を披露したスターはグングンと伸び、逃げ粘るトロワゼトワルをゴール前でしっかりと追い越しゴール板を先頭で駆け抜け快勝しました。
重賞2勝はいずれも夏競馬ということで、まさに“夏の王アーサー!”といった快走を見せてくれました。

安藤勝己元騎手もサトノアーサーの「外を回さず馬群に突っ込んだのがポイント」とコメントをしており、戸崎騎手の手腕が光った一戦でもありました。
サマーマイルシリーズは全4戦中3戦が経過。今回優勝のサトノアーサーは10ポイントの2位に位置しています。優勝には、12ポイント以上が必要となりますので、まずは最終戦の京成杯オータムハンデ(GIII)に出場することが必要です。次走は馬の状態を見つつ、「ワンターンの1600か1800か」という陣営のコメントもあるようで、最終戦には出場しない可能性もありますが、今回の素晴らしい切れ味は秋のGⅠでも楽しみで、今後のレース選択にも注目ですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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