きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) クイーンステークス

今週は新潟ジャンプステークス(J・GIII)とクイーンステークス(GIII)が行われ、当協会の(有)サンデーレーシング様、(株)東京ホースレーシング様が優勝されました。誠におめでとうございます。覆面歌人の京雅さんからは、クイーンステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

クイーンステークス 京雅

あの馬か
粘り強いぜ
猛威今日(けふ)
すぐインを来い
伸び突き抜けた

隠れたメッセージは「あねもすの かぜふいた → アネモスの 風吹いた」です。
あ()の馬か(
粘()り強いぜ(
猛(も)威今日(けふ)(
す()ぐインを来い(
伸()び突き抜けた(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
これまでは客観的にレースを捕らえた解説が主でしたが、今回の和歌は一味違い、愛馬を見守る馬主の目線での和歌です。是非、馬主の気持ちを想像して和歌を詠んでいただければと思います。

気持ちよく逃がしたら粘り強い逃げ馬がいる今回のメンバー。ハイペースのラップも手応えは衰えず、やはり手ごわい。しかし、今日は(私の馬が)他馬の猛威となり駆け抜けてくれるはず・・・手応えは良く脚は溜まっている。あとは直線で進路さえ開けば・・・今だ!インが開いた!すぐに伸びて来い!行け!伸びろ!よし、突き抜けた!1年3か月ぶりの勝利は、この馬の待ちに待った初重賞制覇だ!

優勝したレッドアネモス、名前の由来は冠名+風(ギリシャ語)。今日はまさにアネモス旋風、アネモスの風が吹いた一日だったでしょう。同馬はクラブ法人の所有馬ということで、多くの出資者の方が、京雅さんの和歌のような気持ちで愛馬の戦況を見守っていたことでしょう。改めておめでとうございます。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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