きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 札幌記念&北九州記念

8月27日は、菊沢一樹 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は、札幌の真夏の祭典・札幌記念(GII)と、スプリンターズステースクに通ずるサマースプリント第4戦・北九州記念(GIII)が行われ、札幌記念は池谷誠一様のノームコアが、北九州記念は(株)東京ホースレーシング様のレッドアンシェルが優勝しました。今回は豪華二本立てで覆面歌人の京雅さんからは、和歌が2首届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

札幌記念 京雅

鍛えたの
頼もしスター
乗り勇む
力強い子
出た芦毛さあ

隠れたメッセージは「きたのちで のーむこあ → 北の地で ノームコア」です。
鍛()えたの(
頼()もしスター(
乗()り勇む(
力()強い子(
出()た芦毛さあ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
札幌記念は、GI馬が3頭揃う豪華メンバー、結果もその3頭が上位を独占。優勝したのは昨年のヴィクトリアマイル(GI)の覇者、ノームコアでした。このレースは騎手・横山父子3人そろい踏みの中、52歳の大ベテラン横山典弘騎手が会心騎乗で”父の威厳”を示しました。
牡馬との戦いで鍛えた頼もしいスター(ノームコア)に乗り勇む、横山典弘騎手。強い子・芦毛のノームコアが直接で抜け出した、という和歌です。
「乗り勇む 強い子」には近年、しっかりと結果を出す2人の息子の成長を感じつつもまだまだ父として負けられない、という「典、勇む 強い(息)子」という裏のメッセージもあります。

北九州記念 京雅

なんとまあ
強い万全
ぞくぞくし
ラスト脚冴え
ニッコリ伸びる

隠れたメッセージは「なつぞらに あんしえる → 夏空に アンシェル」です。
な()んとまあ(
強()い万全(
ぞ()くぞくし(
ラ()スト脚冴え(
ニ()ッコリ伸びる(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
この日の小倉は強烈な雨が降るなど、天候が不安定な日でしたが、この雨が恵みになったのか、稍重の渋り気味の馬場を上手く駆け抜けたのは昨年の不良馬場のCBC賞(GIII)で初タイトルを獲得したレッドアンシェルでした。
強烈な雨も北九州記念が始まることには夏らしい青空に変わっていました。アンシェルはフランス語で「空」の意味。馬場を味方に、夏の大空を羽ばたくかのように、ラストの脚が冴えての重賞制覇でした。

さて、今週末は新潟2歳ステークス(GIII)とキーンランドカップ(GIII)が行われます。今週も会員皆様のご愛馬の活躍を祈念いたしております。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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