きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

動き出したヨーロッパ競馬

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やっとヨーロッパの競馬が動き出しました。月が替わった今月1日、パリロンシャン競馬場からドーヴィル競馬場に疎開して、仏2000ギニーと仏1000ギニーが行われ、遅まきながらクラシックレースが開幕しています。いずれもトライアルで苦杯を喫していた馬が逆襲、変則日程の難しさを痛感させる結果となりました。2000ギニーはゴドルフィンのヴィクタールドルムが馬場が乾いて本来の切れ味を取り戻し末脚を爆発させました。今週の英2000ギニーには、同じゴドルフィンの大将格ピナトゥボが登場します。2歳時に怪物フランケルを凌駕するレーティングを獲得している素質馬で、これまで6戦6勝の負け知らず。14戦14勝だったフランケルを追って連勝記録を伸ばせるでしょうか?

ゴドルフィン勢の好調ぶりが目を引きます。例年だとゴドルフィンホースは、ワールドCデーを頂点とするドバイカーニバルを大目標に調整され、シーズン中盤から後半には息切れする傾向も見られたのですが、今年はコロナウイルス禍の影響でワールドCデーが中止され、幸か不幸か余力を残してヨーロッパラウンドに臨む形になりました。災い転じて福と為す、そんな光景が各地で見られそうです。

今夜はイギリスのニューマーケット競馬場で、古馬G1第1弾のコロネーションC 2400mが行われます。ダービーウィークを盛り上げるエプソム名物のレースですが、フランス同様に競馬場を移しての開催です。7頭立てと少頭数になりましたがG1馬が5頭も顔を揃え、日本人馬主が共同所有するオブライエン厩舎のブルームも出走、話題満載のレースになりました。しかしここもゴドルフィンのガイヤースが大本命に推されています。強い時は途方もなく強いが、快走と凡走が綾なす厄介なタイプの馬です。しかし少頭数は望むところでしょうし、マラソンレース界の絶対王者ストラディヴァリウスも2週後に控えるロイヤルアスコットのゴールドC 4000m3連覇がターゲットでしょうから、今夜は強いガイヤースが見られそうで楽しみです。

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