きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 優駿牝馬・オークス

先週は、3歳牝馬クラシック2戦目、優駿牝馬・オークスが行われ、見事デアリングタクトが無敗で2冠馬に輝きました。覆面歌人の京雅さんからは、その優駿牝馬・オークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

優駿牝馬・オークス 京雅

無敵馬さ
早い直線
一気なか
快挙抜群
疾走秋へ

隠れたメッセージは「むはいかし さんかんへ → 無敗樫 三冠へ」です。
無()敵馬さ(
早()い直線(
一()気なか(
快()挙抜群(
疾()走秋へ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
24日(日)、3歳牝馬クラシックの優駿牝馬・オークスが行われました。雨の降りしきる中、重馬場のコンディションで行われた1冠目の桜花賞と打って変わって、この日は晴れて良馬場。どの馬も実力をいかんなく発揮できそうなコンディションで行われました。
東京競馬場の2400mというこの時期の牝馬には過酷なコース設定を見事に制したのは、桜花賞を先頭で駆け抜けたデアリングタクトでした。
道中は、中段やや後方より。脚は溜まっているものの馬群の中で、その脚を使いきれるか・・・直線に向いても伸び伸びと脚が使える外への進路は他馬に塞がれています。鞍上の松山騎手は一瞬の判断で、わずかに開いた内側(なか)を選択。一瞬の素早い脚でなかに潜り込み、他馬の間をすり抜けて進路を確保すると末脚全開。先に抜け出した同じ勝負服の2頭を、驚異の上がり3ハロン33秒1の末脚で抜き去り、見事63年ぶり、無敗の牝馬2冠という快挙を成し遂げました。
優駿牝馬・オークスを華麗に疾走し、残すは秋の秋華賞のみ。初となる無敗の牝馬3冠の誕生を期待せずにはいられない週末となりました。

※隠れたメッセージにある「樫」は古語の強調の終助詞「かし」との掛詞。「かし」は「・・・だよね」「・・・ね」という意味があり、隠れたメッセージには「無敗だね!」と強調する意味「かし」と優駿牝馬・オークスの「樫」の両方が隠れていました。ここまで解読できた読者はあっぱれ免許皆伝!!ですね。

過去の牝馬3冠達成馬はメジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイの5頭。この名牝たちもオークス時点ですでに敗戦を経験しており、この時期の牝馬が、無敗でクラシックを連勝することの難しさを歴史も示しており、デアリングタクトの偉業がより素晴らしいものであることが伺えます。京雅さんの言葉にもあるように、否が応でも期待膨らむ秋の秋華賞。デアリングタクト、そしてライバル馬共々、まずは今年の夏を無事に、順調に超えて、秋の大舞台で再び相まみえて欲しいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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