きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エプソムカップ

6月18日は、柴田大知 騎手、柴田未崎 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
東京競馬場5週連続GI競走も終了し、春のGIシリーズは残すところ宝塚記念のみとなりましたが、すでに秋のGIシリーズで活躍すべく、この夏で一皮も二皮も向けたい馬たちが集った先週のエプソムカップとマーメイドステークス。覆面歌人の京雅さんからは、エプソムカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エプソムカップ 京雅

上手い出か
まずは好位置
抜き去るさ
疾走得意さ
虹秋繋ぐ

隠れたメッセージは「うまぬしに かちささぐ → 馬主に 勝ち捧ぐ」です。
上()手い出か(
ま()ずは好位置(
抜()き去るさ(
疾()走得意さ(
虹()秋繋ぐ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
前日、そして当日にも雨が降り、馬場は水分をふんだんに含んだ不良馬場で行われたエプソムカップ。優勝したのは、ダイワキャグニーでした。
馬場状態からもある程度前目に付けたいなか、ダイワキャグニーは好スタートから3番手の絶好位置。4コーナーでは、2番手に進出し、残すは逃げ馬のみ。悪道の中、直線でジリジリと脚を使い抜け去ると、後続も封じ込め重賞で疾走。秋のGIシリーズに繋がる重賞初優勝でした。ダイワキャグニーは東京競馬場で8勝目。自身の勝ち星はすべて東京競馬場というまさに得意舞台での躍動でした。
今月9日、ダイワキャグニーの馬主、大城敬三様がお亡くなりになっていたと、レース翌日に報道がありました。ダイワキャグニーの快走は、亡きオーナーに捧ぐ勝ち、と感じずにはいられない勝利でした。

マイルチャンピオンシップ連覇のダイワメジャー、牝馬で有馬記念を制したダイワスカーレットなど数々の名馬を世に送り出し、競馬の発展に多大な功績を残された大城敬三様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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