きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 安田記念

6月11日は、古賀慎明 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は東京競馬場5週連続GI競走の最終戦・マイル王決定戦の安田記念が行われました。アーモンドアイの偉業がかかったレースでしたが、勝ったのはあの牝馬でした。覆面歌人の京雅さんからは、この安田記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

安田記念 京雅

相手馬
レースも凄い
ぐんと蹴る
リードした顔
鮮やか女王

隠れたメッセージは「あれぐりあ まいるおう → アレグリア マイル王」です。
相()手馬(
レ()ースも凄い(
ぐ()んと蹴る(
リ()ードした顔(
鮮()やか女王(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
安田記念史上、最高のメンバーと言っても過言でないGI馬10頭が集まったこの一戦。アーモンドアイの芝GI競走8勝目の記録に注目が集まり、単勝1.3倍の圧倒的な人気を集めましたが、勝利したのは隠れたメッセージにもあるグランアレグリア・昨年の桜花賞馬でした。
最強女王アーモンドアイと昨年のマイルGI春秋制覇のインディチャンプを下しての勝利は、まさに「マイル王」と名乗って然るべき"価値ある勝ち"でしょう。
スタートから好意につける絶好の競馬で、直線で、ぐんと脚力強く蹴って鮮やかに抜け出すその表情(顔)は、新たなるマイル(女)王が誕生した瞬間でした。

レース中、鞍上の池添騎手は前から飛んできた芝の塊で右眼部を強打。痛々しい姿での優勝インタビューでしたが、そんなことを感じさせない笑顔満開の表情からも嬉しさが溢れ出ていました。またこのインタビュー中には、負けて悔しいはずのアーモンドアイ騎乗のルメール騎手が、池添騎手の眼を気遣い、アイシングを持ってくるというスポーツマンシップが溢れる一面もテレビに映し出され、テレビ前の関係者や競馬ファンに本当に素晴らしいレースを届けられた安田記念だったのではないでしょうか。

春のGIも残すは宝塚記念のみ。春の締めくくりとなる一戦も待ち遠しいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×