きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) NHKマイルカップ

先週は、3歳最強マイラー決定戦、GⅠ・NHKマイルカップが行われました。1番人気は桜花賞2着のレシステンシアでしたが、直線でそのレシステンシアを交わして優勝したのは9番人気の伏兵・ラウダシオンでした。覆面歌人の京雅さんからは、そのNHKマイルカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

NHKマイルカップ 京雅

苦闘ついに
強い直線
ガッツ良き
栄冠競う
末脚で差す

隠れたメッセージは「くつがえす にんきうす → 覆す 人気薄」です。
苦()闘ついに(
強()い直線(
ガ()ッツ良き(
栄()冠競う(
末()脚で差す(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
東京競馬場5週連続GⅠの開幕を飾ったNHKマイルカップ。ルメール騎手を背に逃げる桜花賞2着馬のレシステンシアでしたが、その戴冠を阻んだのは、前走ファルコンステークスで1番人気ながら2着と人気を裏切ってしまい、NHKマイルカップでは9番人気となっていたラウダシオンでした。「いい位置取りを取りたい」と語っていた鞍上のデムーロ騎手はスタート直後、やや促してレシステンシアを見る2番手へ。先行する作戦で、ピッタリとレシステンシアの後を追います。直線、強風が吹く中、力強く進むラウダシオンが逃げるレシステンシアと栄冠を競います。世代最強のマイル王をかけた両者の苦闘は、デムーロ騎手の檄に応えて、最後までガッツと差し脚が衰えなかったラウダシオンが見事優勝。9番人気という人気薄を覆す大駆けでの金星で、この世代のマイル王が誕生した瞬間でありました。

ラウダシオンは重賞初制覇をGI勝利で飾りました。今後については、馬の状態を見てから決定するとのこと。優勝馬主の(有)シルクレーシングは、今週末のヴィクトリアマイルにも有力馬アーモンドアイとプリモシーンがエントリー。2週連続のVとなるか、はたまた、ライバル馬がその勢いを止めるのか、今週末も楽しい競馬が期待されます。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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