きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 天皇賞(春)

先週は、伝統のGI・天皇賞(春)が京都競馬場で行われました。今秋より京都競馬場は改修工事を予定しており、京都競馬場での天皇賞(春)もしばし見納め。覆面歌人の京雅さんからは、この天皇賞(春)の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

天皇賞(春) 京雅

いざや来た
最後に差して
また誉れ
しかと凱旋
苦闘も立派

隠れたメッセージは「いさましく たてれんぱ → 勇ましく 楯連覇」です。
い()ざや来た(
最()後に差して(
ま()た誉れ(
し()かと凱旋(
苦()闘も立派(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
今年は14頭の出走と、フルゲートにならなかったことは残念ですが、長距離の精鋭が集まりました。
レースは終始前々でレースを進めた11番人気のスティッフェリオが先に抜け出して粘るところに、いざ!来たぞ!とばかりに昨年の覇者フィエールマンが強襲。最後はクビの上げ下げによるデットヒートを最後にフィエールマンが差して天皇賞(春)連覇という誉れを得ました。昨年は凱旋門賞にも勇猛果敢に挑戦したフィエールマンが有馬記念を挟んで、淀(京都競馬場)のターフに凱旋しました。京都競馬場の3000mを超えるGIは3勝目。勝つときの着差はわずかですが、勝ち切る強さを秘めており、まさに苦闘も立派という名馬です。

天皇賞(春)の連覇はメジロマックイーン、テイエムオペラオー、フェノーメノ、キタサンブラックに次ぐ史上5頭目。フィエールマン、馬名の由来は「気高く、勇ましく」。その名の通り、勇ましい姿での楯連覇となりました。

さて、今週からは東京競馬場GI5連戦。初戦はNHKマイルカップが行われます。前哨戦を戦ってきた馬たちと、桜花賞1番人気で2着だったレシステンシアがぶつかります。好勝負を期待したいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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