きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

苦渋の決断

3月27日は、宮本 博 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

無観客競馬が今週で5週目に入ります。今週は春のG1シリーズ第1弾!高松宮記念が行われます。無観客でのG1級レースの開催は、戦争中の1944年に能力検定レースとして行われた菊花賞以来76年ぶりだそうです。人類にとってコロナウイルス感染拡大防止は、世界大戦にも匹敵する「非常時」であることを象徴的に物語っているようです。東京では小池百合子都知事が、この週末の「外出自粛」の要請を行い、中山競馬場のある千葉県をはじめ神奈川、埼玉、茨城など首都圏7県が全面的協力を誓っています。

こうした厳しい環境を鑑みて、中山馬主協会でも西川賢会長のリーダーシップで、この週末の馬主さんの入場自粛を決定しました。愛馬の遠征時の帯同を含めて、ビジネス上の出張など海外へ出かけられる馬主さんも少なくありません。厩舎や競馬場関係者と接する機会が多いのも事実です。万が一、競馬サークルから感染者を出せば、無観客開催では済まないでしょう。「娯楽を失くしてはならない」という不退転の決意で苦渋の決断をされた西川会長のお気持ちも良く分かります。

ヨーロッパでは競馬先進国が揃って開催を中止して全滅状態。アメリカでもケンタッキーダービーが延期され、名門キーンランド競馬場も中止を決定しています。イギリスでは、競馬情報紙大手レーシングポストが一時的な休刊に踏み切りました。競馬どころじゃない、というのが世界の現状です。こうした状況を考えれば「競馬をやらせてもらっていること自体が奇跡的」とおっしゃる藤沢和雄調教師の言葉が、改めて心に沁みます。粛々と競馬が行われ続けていくことを祈るばかりです。

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