きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) フェブラリーステークス&ダイヤモンドステークス

先週は令和2年初のJRA・GⅠフェブラリーステークスが行われました。砂の王者を目指して猛者たちが出走した一戦。優勝したのは芝のGⅠ安田記念も制したモズアスコットでした。覆面歌人の京雅さんからは、そのフェブラリーステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

フェブラリーステークス 京雅

迫る脚
いざ行け名馬
早いのだ
疾走スター
頼もしダート

隠れたメッセージは「せいはした しばだーと → 制覇した 芝ダート」です。
迫()る脚(
い()ざ行け名馬(
早()いのだ(
疾()走スター(
頼()もしダート(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
冬のダートの祭典・フェブラリーステークスは、その年のGⅠの開幕を告げるレースでこのレースの到来と共に競馬も春に移行していく、季節の移り変わりを感じるレースでもあります。
今年のフェブラリーステークスを制したのは、なんと芝のマイルGⅠ・安田記念の優勝馬モズアスコットでした。2018年の安田記念を制して以後、惜しい競馬が続いていましたが、前走、初ダートとなった根岸ステークスで脅威の末脚を発揮し優勝。勢いのままに、GⅠフェブラリーステークスでも中団から差し切る競馬で優勝しました。
「ダートは走る」と語っていた矢作調教師の言葉通り、頼もしい姿で疾走し、史上5頭目となる芝・ダート両GⅠ制覇というスターに登りつめました。

さて、土曜日のダイヤモンドステークスでは、当協会会員、三島宣彦様のミライヘノツバサが優勝。京雅さんから、優勝を祝して、ダイヤモンドステークスの和歌も届きました。

ダイヤモンドステークス 京雅

期待背に
忍耐七年
至福よき
何と凄いな
いざ馬券など

隠れたメッセージは「きにしない にんきなど → 気にしない 人気など」です。
期()待背に(
忍()耐七年(
至()福よき(
何()と凄いな(
い()ざ馬券など(


3歳からクラシックに出走するなど期待を背負っていた愛馬が、大きな怪我を乗り越えて7歳馬となった今年、16番人気という低評価を覆して悲願の重賞初制覇を成し遂げる和歌でした。
今週から舞台は中山と阪神に移ります。京雅さんを、是非、お楽しみに!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×