きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山の誇り

2月28日は、山本 康志 騎手、萱野 浩二 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

中山競馬場では、さまざまな名物レースが施行されています。そのレースに対する想いとか価値はファン一人一人により千差万別です。しかし独断と偏見で敢えて三つを選べば、「有馬記念」は中山のアイデンティティであり、中山以外の競馬場で行われることは想像もできません。同様に「大障害」は中山の華のような存在でしょう。そして、もう一つ挙げれば「中山記念」でしょうか。歴史の古さでは大障害に一歩譲るのですが、近年ますます存在感を増して来たことからも、中山の誇りと呼んで良いのではないでしょうか。

今年で創設84年目を迎えます。回数で言えば当初は年2回開催だったため第94回という伝統を誇っています。かつてはハイセイコーの大差圧勝が日本中を興奮の渦に巻き込み、8歳馬カンパニーが連覇して鞍上の横山典弘騎手ともども「オジサンの星」とファンをホッコリさせました。毎年のように豪華メンバーが揃うことから、世に「スーパーG2」と呼ばれているようですが、このレースをシーズンの始動戦に、勇躍と海外に雄飛する名馬たちが続出しているのは、まさに中山競馬の誇りです。ヴィクトワールピサ、ジャスタウェイ、リアルスティール、ヴィブロスなどの大手柄でドバイワールドCデーへの登龍門として世界に知られています。

今年もウインブライトが史上初となる中山記念3連覇を手土産に、ドバイターフから香港のクイーンエリザベス2世Cへと海外G1を転戦するようです。既に香港ではG1を2勝しているマイスターの熟練の技に期待したいと思います。インディチャンプは去年暮れの香港マイルは不本意な結果に終わりましたが、ここをジャンピングボードに香港チャンピオンズマイルで逆襲の狼煙を上げてくれるでしょう。今や世界的名種牡馬の仲間入りをしたフランケルの世界最初のG1ホースでありクラシックホースとなったソウルスターリングはラストランとなるようですが、その気高い誇りに似合うレースを選んできたものです。ご存じのように今年は「無観客競馬」となりますが、歴史に残るような誇り高い名レースを実現してくれることでしょう。

×