きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

グランプリレースの価値

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IFHA(国際競馬統括機関連盟)が主宰し、ロンジン社がスポンサードする世界の競走馬の昨年度の確定レーティングが発表されました。昨年、世界最強と認められた馬は128ポンドに評価されたクリスタルオーシャン、エネイブル、ヴァルトガイストの3頭。これに続くのが香港のビューティージェネレーションの127ポンドで4位、日本調教馬リスグラシューは126ポンドで5位タイに叙せられました。オーストラリアの名中距離レースのコックスプレートに加えて、宝塚記念、有馬記念の両グランプリレースを制した実力が世界に認められました。誇らしい気分と同時に、リスグラシューの引退には競馬界が失ったものの大きさと重さを、改めて感じずにはいられません。

この競走馬ランキングと同時に世界のG1レースのベスト100が発表されています。このランキングは、2歳戦を除く世界のG1レースでの4着馬までの、その年の最高レーティング平均値で決められます。強い馬がたくさん集まるレースほど評価が高くなる仕組みです。トップには3年連続で凱旋門賞が君臨しました。以下キングジョージ、プリンスオブウェールズS、エクリプスSと続きますが、すべてのレースにクリスタルオーシャン、エネイブル、ヴァルトガイストのレーティング首位ホースいずれか、あるいは複数が勝利を争っています。これらの世界の頂上戦に続いて、5位に宝塚記念、6位に有馬記念と日本が誇るグランプリレースがランクインしました。もちろんリスグラシューの貢献が大きいのですが、世界の頂上が見えそうなところまで日本競馬全体のレベルが高まってきた証明でしょう。

とくに有馬記念は仮にレーティング124ポンドのアーモンドアイが4着までに入線していたら、レースレーティングもロイヤルアスコット名物プリンスオブウェールズSと並んで3位タイに大飛躍するところでした。世界が高い価値を認定した日本のグランプリを、強い馬がこぞって参戦する頂上決戦へと磨き上げ、ファンとともに大きく発展させていかねばと改めて思います。

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