きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エリザベス女王杯

11月14日は、蓑島 靖典 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は乙女たちの戦いエリザベス女王杯が行われました。無敗でオークスを制したラヴズオンリーユー、秋華賞馬クロノジェネシスら3歳馬を抑えて優勝したのは4歳馬のラッキーライラックでした。覆面歌人の京雅さんからは、エリザベス女王杯の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エリザベス女王杯 京雅

最後から
来たよ猛追
ほらティアラ
興奮に満つ
ルート輝く

隠れたメッセージは「さきほこる らいらつく → 咲き誇る ライラック」です。
最()後から(
来()たよ猛追(
ほ()らティアラ(
興()奮に満つ(
ル()ート輝く(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
乙女の戦いエリザベス女王杯。この日は女性のフリーパスの日で、京都競馬場にも多くの乙女が集う中、決戦が行われました。
今年は、無敗のオークス馬ラヴズオンリーユーと秋華賞馬クロノジェネシスが人気を集めましたが、ラッキーライラックが復活のGⅠ勝利で、見事、古馬の意地をみせました。
レースは昨年2着のクロコスミアが逃げ、ラヴズオンリーユーが2番手で進める中、ラッキーライラックは中団から後方の内目に待機。最後の直線では、ライバル馬たちが早めに逃げたクロコスミアを捕えようとする中、上位入着馬の中では最後にラッキーライラックが追いかけます。鞍上の名手スミヨン騎手は京都外回りの内が開くことを熟知していたかの如く、内枠沿いを猛然と追い込み興奮に満ちた京都競馬場の勝利のルートをひた走り、ラッキーライラックに2017年の 阪神ジュベナイルフィリーズ以来のGⅠ勝利をもたらしました。
エリザベス2世が来日したことを記念して創設されたエリザベス女王杯ですが、今年は当日、天皇陛下即位祝賀パレード「祝賀御礼の儀」が行われました。この日の競馬を投影すると、騎手が選択した最内ルートは祝賀パレードのルートのようで、また、優勝したラッキーライラックは、皇后さまの頭上に燦然と輝くティアラのように輝やいていました。
競馬界の中心が乙女たちとなるエリザベス女王杯当日に、天皇陛下即位祝賀パレードが行われたのは偶然とはいえ、縁を感じずにはいられない一日でした。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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