きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

後継種牡馬ウォー

8月9日は、藤田菜七子 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

種牡馬界の帝王ディープインパクトが亡くなって初七日が過ぎたばかりですが、ホースマンの皆さんは次期王座を巡って世界中を飛び回っています。北米を代表する競馬メディアであるブラッドホース誌の電子版がトップニュースでブリックスアンドモルタルの種牡馬としての権利を社台ファームの吉田照哉さんが購買したことを報じました。ブリックスアンドモルタルは高額賞金レースで有名なペガサスワールドCターフなどG1・3勝を含めて目下5連勝中で北米の芝最強馬です。血統的にもストームキャット系ジャイアンツコーズウェイ産駒ですから、とくにサンデーサイレンス系との相性の良さが際立っています。ディープインパクトの欧州クラシック初勝利はジャイアンツコーズウェイ牝馬との間に生まれたビューティーパーラー、昨年の仏ダービー馬スタディオブマンもディープとストームキャット牝馬の間に誕生しています。

今年のセレクトセールで新種牡馬ドレフォンの仔が税込2億7000万円で落札されて話題になりましたが、この馬もストームキャットの父系を持っていました。偉大なサンデーサイレンスからディープインパクトへと繋がれた血が、この先どう紡がれていくのか?日本競馬の将来の命運を握る大きな課題です。今年、種牡馬デビューしたエピファネイアは三代目にサンデーの血を抱え、サンデーサイレンス3x4のクロス馬を多く出し、現時点では一定の成功を収めているようです。来年デビューするモーリスからも同様の血統構成の産駒が控えています。こうした事例を含めて、様々な試行錯誤が行われていくのでしょう。当分は何が正解か分からないカオスのような時期が続くのでしょうか?

ブリックスアンドモルタルに話を戻します。現役時は現馬主の勝負服で走ることになっている彼の次走は、明日10日のG1アーリントンミリオン。同じチャド・ブラウン厩舎のロベルトブルースは昨年の覇者でもあり、強敵は身内にありといった格好です。アメリカ遠征に熱心で、過去にも今は日本にいるケープブランコでこのレースを勝っているアイルランドのエイダン・オブライエン調教師は、ペガサスワールドCターフ2着とブリックスに食い下がったマジックワンドと欧州G1で掲示板入りの常連になっているハンティングホーンの2頭出しで臨みます。果たして北米最強ターフホースの金看板を守ったまま来日できるのか?輝かしい将来へ向けての戦いが、もう始まっています。

×