きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 安田記念

先週は日本ダービーの余韻が冷めぬ東京競馬場で、5週連続GⅠ開催の締めくくり安田記念が行われました。日本ダービーと同様に注目馬が敗れる波乱の展開に・・・是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

安田記念 京雅

先行くか
今は見て行け
外伸びぬ
苦労華咲け
出来良く破る

隠れたメッセージは「さいそくで  かけぬける → 最速で 駆け抜ける」です。
先()行くか(
今()は見て行け(
外()伸びぬ(
苦()労華咲け(
出()来良く破る(


<京雅さんからのメッセージ>
レースは当初の予想通りアエロリット、グァンチャーレが引っ張る展開に。優勝馬インディチャンプも好スタートを決めますが、まずは先行く2頭を見て折り合います。
直線に入るも、なかなか前に2頭との差が詰まりません。先週の日本ダービーもそうでしたが、今週もやはり外はあまり伸びず前目につけた馬が有利の東京競馬場。残り100mでグァンチャーレを捕えると、ゴール手前では福永騎手の右ムチに応えてもう一伸び。3歳時は重賞戦線で思うように賞金加算や権利取りができず、GIに出走できないという苦労を味わいましたが、昨年の冬から急激な成長曲線を描き、安田記念優勝までたどり着きました。
この安田記念に向けて、栗東トレーニング・センターの坂路コースで2週連続51秒台の好時計の調教を積んでおり、まさに出来の良さで強豪を打ち破りました。
大注目のアーモンドアイは外が伸びぬ展開ながらもメンバー最速の上がりで3着に。アーモンドアイが敗れても、この水色の勝負服が優勝。恐るべし。


インディチャンプ、名前は北米最高峰のカースポーツ・インディカーの年間王者に輝いた・・・という意味。福永騎手のドライビングテクニックとインディチャンプの性能が噛み合い見事1位でチェッカーフラッグを受けた、そんなカースポーツさながらの安田記念でもありました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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