きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) ヴィクトリアマイル

先週は東京競馬場連続GI競走の第2弾、ヴィクトリアマイルが行いました。乙女たちの戦いは“超”が付く高速決着となりました。京雅さんから和歌が届いておりますので、是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

ヴィクトリアマイル 京雅

追えの指示
馬も駆けるよ
自信顔
伸びた激闘
競りレコードに

隠れたメッセージは「おうじのせ  じよおうに → 王子乗せ 女王に」です。
追()えの指示(
馬()も駆けるよ(
自()信顔(
伸()びた激闘(
競()りレコードに(


<京雅さんからのメッセージ>
東京連続GIの第2戦は荒れることでも有名なヴィクトリアマイル。GI馬は4頭出走しているものの、各馬とも不安材料も持ち合わせている状況で、1番人気の単勝オッズは4.3倍、10倍以下が6頭と、ファンも頭を捻りながら予想している姿が目に浮かびました。
レースはアメリカ帰りのアエロリットが引っ張る展開。前半の600mを33.7秒の超ハイペースで駆け抜けた際は、スタンドからもどよめきが起こりました。
そんな中、優勝したノームコアはD.レーン騎手に導かれ、道中は中団に待機。直線で進路を見つけると、レーン騎手の追い出しに馬も応えます。さらに右ムチが入るともう一段加速。外から強襲したプリモシーンを抑えて、1着入線。電光掲示板に表示されたのは2012年に打ち出された記録より0.8秒も速い1分30秒5のタイム。スタンドは歓声に包まれました。
C.ルメール騎手の騎乗停止により急きょの役回りとなったレーン騎手ですが、短期免許で初来日してから絶好調。彗星のごとく現れた姿は乙女を導く王子の姿にも見えました。


ノームコアはこれまで重賞で優勝するも、その後のオークスや秋華賞の出走を見送るなど、馬を第一に考えて出走を重ねてきました。今回、能力がフルに発揮できたのも、これまで大切に使われてきた結果なのかもしれません。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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