きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) フェブラリーステークス

今週は今年最初のJRAGI、フェブラリーステークスが行われました。藤田菜七子騎手が初GI騎乗とということで東京競馬場も熱気に包まれました。京雅さんからは、そのフェブラリーステークスの和歌(沓冠)が届いております。隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

フェブラリーステークス 京雅
出来るとも
猛馬逃げ切り
なんとまあ
名インティ告げ
これ武神った

隠れたメッセージは「でもななこ もりあげた → でも菜七子 盛り上げた」です。
出()来るとも(
猛()馬逃げ切り(
な()んとまあ(
名()インティ告げ(
こ()れ武神った(


<京雅さんからのメッセージ>
大混戦が予想されたフェブラリーステークスは、スタートから端を切った一番人気インティが一度も他馬に先頭を譲らず優勝。7連勝で一気に頂点に登りつめました。武豊騎手は今年に入って絶好調のリーディング首位。勢いそのままにキタサンブラックで制した2017年の有馬記念以来のGI制覇でした。
インティとはインカ神話で「太陽の神」の意味。本当にこれはもう人の技術を超越し、「武さん神った」ですね。
ただ、この日の主役はもう一人。JRA唯一の女性騎手、藤田菜七子さんのGIデビューの日。彼女の勇姿を一目見ようと集まった観客は6万1千人を超えました。結果は5着と残念でしたが、名手・安藤勝己元騎手も冷静な騎乗ぶりを褒めていました。今後の彼女の活躍に益々期待です。

和歌をそのまま読むとインティの素晴らしい逃げ切りを称える歌。そして隠れたメッセージには、この日の競馬をより盛り上げた藤田菜七子騎手を盛り込むという京雅さんのセンスが光る和歌ですね。今週末から春の中山開催が始まります。読者の皆様も、花見がてら是非、中山競馬場に足をお運びいただければと思います。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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