きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【43】シンボリクリスエス
2002年10月27日 第126回天皇賞(秋)

10月26日は、黒岩 悠 騎手、鈴木 伸尋 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
1937年12月3日に行われた「帝室御賞典競走」から81年間、秋は東京開催に決まっていた天皇賞(秋)が、かつて、2度だけ、中山を舞台に移して開催されたことがある。1度目は、カブトシローが勝った1967年。そしてもう1度が……シンボリクリスエスが制した2002年、第126回天皇賞(秋)だ。
この年、東京競馬場は、日本ダービー終了後に、馬場及びスタンドの改修に着手。代替として開催された中山に勢揃いしたのは、人気順位に、テイエムオーシャンと本田優。ナリタトップロードと四位洋文。シンボリクリスエスと岡部幸雄。サンライズペガサスと柴田善臣。エイシンプレストンと福永祐一。エアシャカールと武豊。ツルマルボーイと河内洋。ダンツフレームと藤田伸二。ブレイクタイムと松永幹夫。イブキガバメントと横山典弘。トーホウシデンとオリビエ・ペリエ。アグネススペシャルと蛯名正義。トラストファイヤーと江田照男。ゴーステディと吉田豊。ロサードと後藤浩輝。アグネスフライトと勝浦正樹。テンザンセイザと田中勝春。そして、アラタマインディと飯田祐史の18頭。牡馬と牝馬。古馬と3歳馬が入り混じった最強馬決定戦は、最後の最後まで、目を離せない手に汗握る白熱の好勝負となった。

ゴーステディが逃げたレースは、前半1000mの通過が59秒3という、速すぎもせず、遅過ぎもしない緩みのない流れ。しかし、直線が短いという中山のコース特徴が、4コーナー手前で微妙に騎手の意識に影響を与える。
――少しでもいいポジションを。
有力馬が早めに動く中、じっとその時を待っていたのが、唯一の3歳馬シンボリクリスエスと岡部幸雄だった。3歳馬による天皇賞(秋)制覇は、1996年のバブルガムフェロー以来、5年ぶりの快挙。この勝利で、中山、東京、京都、阪神と4場で天皇賞ジョッキーとなった岡部幸雄にとっては、これが最後のGⅠ勝利でもあった……。

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