きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【36】ビッシュ
2016年9月10日 第1回紫苑ステークス

9月7日は、小牧 太 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
秋競馬の開幕を告げる紫苑ステークス。栄えある第1回の優勝馬として歴史にその名を刻んだのは……戸崎圭太騎手騎乗のビッシュ。オーナーは、窪田康志氏。調教師は、鹿戸雄一先生だった。

秋華賞への優先出走権(3着以内)が与えられるこのレースに登録したのは21頭(第1回特別登録)。この中には、フローラSを快勝したものの体調を崩してオークスを回避したパールコード。中山のフラワーCを逃げ切ったエンジェルフェイス。500万下のカーネーションSを逃げ切り、続く1000万下のいわき特別では、古馬を相手に2着を確保したクィーンズベスト。ノドの手術後に臨んだ復帰初戦(500万下)で、後続に4馬身差をつけたヴィブロス……と、多彩なメンバーが集結。
――この日が待ち遠しくて。
という中山のファンを大いに沸かせた。

先手を取ったのは、柴田大知騎手騎乗のゲッカコウ。2番手にキリシマオジョウ。「一瞬、落ちるかと思った。あの不利さえなければ……」とレース後に唇を噛んだ福永祐一騎手騎乗のヴィブロスは中団。1番人気に推されたビッシュは、後方5番手を進む。
レースが動いたのは1000m過ぎ。最後方にいたファータグリーンが一気にポジションを押し上げると、わずかに遅れて、ビッシュも進出を開始。これが初コンビとなる戸崎圭太騎手が、「追い切りに乗っていたので、いいイメージを持って乗った。リズム良くいけたし、4コーナーでも手応えは十分でした」とレース後、笑顔を見せたその言葉通り、馬なりで先頭集団を射的に捉えたビッシュが、そのまま、力で押し切った。

このレースで秋華賞への優先出走権を得たのは、ビッシュ、ヴィブロス、フロンテアクイーンの3頭。そして――秋華賞では、ローズステークス組を抑えたヴィブロスの頭上に栄冠は輝いた。
秋競馬初日の中山はもうすぐそこ。今年は、どんな戦いが繰り広げられるのか!? ドキドキ、ワクワクが、止まらない――。

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