きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ゆかりの名馬を訪ねて~ノーザンリバー~

8月11日は、友道康夫 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

中山馬主協会および中山競馬場にゆかりの名馬をご紹介する本企画。
今週の名馬は、中山馬主協会会員の林 正道 様の所有馬で中央・地方そして芝・ダート問わず重賞を6勝したノーザンリバーをご紹介します。先週ご紹介したロジユニヴァースと同様に競走馬引退後は優駿スタリオンステーションにて、種牡馬として活躍しています。

<ノーザンリバー概略>
通算成績:28戦10勝
重賞勝鞍:アーリントンカップ(GIII、2011)、カペラステークス(GIII、2013)、東京スプリント競走(JpnIII、2014)、さきたま杯(JpnII、2014・2015)、東京盃競走(JpnII、2014)
優駿スタリオンステーションに繋養され、種牡馬として活躍。現在、10歳。


先週に引き続き、優駿スタリオンステーションの山崎さんにノーザンリバーについて、お話を伺いました。
馬房からひょっこり顔を出し
愛くるしい表情を見せるノーザンリバー

―――芝・ダート問わず重賞6勝という素晴らしい成績で種牡馬となったノーザンリバーですが、優駿スタリオンステーションではどういった様子ですか?
山崎:林オーナーのご厚意から優駿スタリオンステーションで預かることになりましたが、やってきた当初も現在も元気いっぱいで健康面の不安はないですね。

―――先週のロジユニヴァースは落ち着いてゆったり種付するタイプとのことでしたが、ノーザンリバーはいかがでしょう?
山崎:ノーザンリバーはどちらかというと性格的には反対ですね。普段から少しキツい面がありますね。

―――ということは、種付も少し苦労されるのでしょうか?
山崎:いえ、逆ですね。種付に関してはノーザンリバーのように、男っ気を出すタイプの方がやりやすいですね。そのくらいの気性の方が、センスがあるというか“仕事が早い”という表現が良いのでしょうか(笑)。

―――なるほど、一日に、何頭も種付をすることを考えると男っ気がある方が、仕事は早そうですね(笑)。初年度産駒は1歳になりましたが、産駒をみて特徴的なことはありますか?
山崎:お父さんと一緒で、短距離であれば、芝でもダートでも活躍できる馬になりそうですね。筋肉質でスピードがある仔が多いように感じます。
アグネスタキオンの後継として
来年からの産駒の活躍が期待されるノーザンリバー

―――ノーザンリバーの種付はどのくらいの頭数行っているのですか?
山崎:どの種牡馬でも同じ傾向ですが、初年度の交配は新種牡馬に対する期待から、ある程度の繁殖牝馬が集まります。その後、初年度がデビューするまでは少し種付頭数が下がり、初年度がデビューしてからは、その活躍次第でV字回復するかどうか、という感じです。ノーザンリバーも同様に、初年度は30頭以上に種付し、今はその初年度が1歳ですので、来年の活躍を楽しみに待っている状況です。

―――それでは最後に、ホームページをご覧になっている方へメッセージをお願いいたします。
山崎:ノーザンリバーは林オーナーが初めて重賞を勝った思い入れのある馬というで、是非、種牡馬にしたいという思いから優駿スタリオンステーションで預かることになりました。そういったオーナーの気持ちに応えたいという気持ちに加えて、現在、優駿スタリオンステーションで繋養しているアグネスタキオンの後継種牡馬はノーザンリバー一頭のみです。11歳と若くして亡くなった父アグネスタキオンが種牡馬として大活躍しましたから、その後継であるノーザンリバーにも期待は大です。無事に初年度産駒がデビューしてくれることを心から願っています。

林 正道オーナーにもノーザンリバーとの思い出をお話しいただきました。
『ノーザンリバーは、私が馬主資格を取得後、初めて購入した馬で、初重賞やダービー出走など、夢のような経験をさせてくれた思い入れのある馬であります。ダービー出走後、屈腱炎を発症しましたが、約1年半の休養を経て、ダート路線に変更した後も、センスある走りで、短距離の交流重賞で好成績を収めてくれました。残念ながら、GI、GIIは取れませんでしたが、距離適性の合わなかったダービー以外は凡走したことはなく、大井の1200mのレコードを持つようにスピードある走りでファンの支持を集めてくれました。足元の不安さえなければ芝路線でも十分に活躍できるスピードがありましたので、種牡馬として、この適性を引き継ぐ活躍馬を輩出してくれることを切に願っております。リバーの後継馬で重賞を是非取りたいと常々思っておりますので、引き続きのご支援をいただきたいと思います』

★種牡馬の一年★
繁殖牝馬の状態にも依りますが、種牡馬が最も忙しくなる種付シーズンは3月下旬から6月上旬頃。1日に複数の繁殖牝馬と種付を行うことも珍しくありません。
種付シーズンが終わり夏になると、放牧地でゆったり過ごしたり、一般ファンの来訪を出迎えたりもします。そして、来シーズンの種付に備え、適度な運動を行い、馬体を維持することも種牡馬の仕事の一つです。

×