きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ゆかりの名馬を訪ねて〜ベルーフ号〜

ようこそいらっしゃいませ

今週で6週目を迎えました「ゆかりの名馬を訪ねて」は、今年の3月に引退し、セカンドキャリアをスタートさせたベルーフ号を紹介させていただきます。

<ベルーフ号>
通算成績:26戦3勝
重賞勝鞍:京成杯(GIII、2015、中山)
現在は、岡山の吉備高原サラブリトレーニングで休養中。(平成30年7月現在)


一般財団法人ホースコミュニティ事務局の矢野孝市郎様よりお話しをお伺いしました。

―――ベルーフ号の今の様子を教えてください
矢野氏:当初の怪我の状況では乗用馬としても厳しいかもしれないという診断でしたが、最近は乗用馬として走れる可能性も出てきたみたいです。焦らずゆっくりとリトレーニングを開始しています。
リトレーニング中のベルーフ号
―――リトレーニングとはどのようなものなのでしょうか
矢野氏:リトレーニングは、競走馬で使われる筋肉と乗用馬で使われる筋肉の箇所は異なっていますので、柔らかくしなやかな筋肉に作り変えるためのトレーニングを行っていきます。また内面的な部分になりますが、競走馬として闘争心に燃えた勢いある性格を、人の指示や合図をしっかり受けてくれるように、落ち着いた性格に変えていきます。

―――あくまでも、リトレーニングは休養を主体としたものなのですね。
矢野氏:はい。リトレーニングは激しい運動ではなく、広大な牧草地でストレスをかけることなく過ごさせてあげることにより、少しずつ変化させていくことが大切です。
聞き分けがよく落ち着いているベルーフ号
―――ベルーフ号の性格はどうでしょうか?
矢野氏:ベルーフ号は重賞を勝っているだけあって、競走馬の時からしっかりと調教されてきていることがわかりますし、とても聞き分けが良く落ち着いていてスタッフにも迷惑をかけないとても聞き分けの良い性格です。
このように落ち着いていて、リトレーニングがスムーズに受けられる馬は、様々な人方々が乗る乗用馬などに適しています。

―――今後のベルーフ号の予定についてありましたら教えて下さい。
矢野氏:冒頭にお話しした、乗用馬の話もあくまでも可能性ですので、そのことはあまり意識せず、しっかりと休ませて無理をさせずにリトレーニングしていき、有意義なセカンドライフを過ごしてもらうことが、今のベルーフ号には大切だとおもっております。

《(有)サンデーレーシングのご担当者様からもコメントをいただきました》
2歳10月の京都の新馬戦でデビュー勝ちを果たして、エリカ賞で2勝めを挙げた後重賞初挑戦となった京成杯で見事勝利を飾りました。
皐月賞、菊花賞は結果を出すことはできませんでしたが、その後芝2000mの前後の重賞競走を中心に走り6歳1月まで大きな怪我もなくコンスタントに26戦してくれました。
その中でも小倉記念は3年連続出走し、2着2回、4着1回と相性の良いレースで特に4歳の小倉記念では短い直線ながら鋭い末脚をみせて、勝ち馬にクビ差届かず惜しいレースをしたことは今でも思い出深いです。
現役時代はどの競馬場でも一生懸命に走っていましたので今はゆっくりと体を休めて長生きして欲しいと願っております。

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