きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ロイヤルアスコット開幕!

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イギリスの短い夏、国民みんなのお楽しみは競馬のロイヤルアスコットに始まって、テニスのウィンブルドン、ゴルフの全英オープンなどのビッグイベントの数々です。多くの人々がブックメーカーでちょっとした賭け事に、今年はサッカーのワールドカップもありますから、あれもこれもと推理に皆さん大忙しです。これらのメジャースポーツはすべてイギリスが発祥の地であり、それぞれにかけがえのない価値を誇っているのも、何とも凄いです。

さてロイヤルアスコットですが、今年はジョン・ゴスデン調教師とフランキー・デットーリ騎手のコンビが無双しています。初日に行われた6レース中3レースをこのコンビが制しました。中身も濃くて、2RのG2コヴェントリーSは将来有望な駿馬を輩出する伝統を誇る名物2歳重賞ですが、今年はケイリスクが23頭立ての混戦を抜け出しています。新種牡馬キングマンは早々と重賞馬の父となりました。現役時代8戦7勝で年度代表馬に輝いたスピードと瞬発力は伊達ではないようです。フランケルと同馬主で、引退後は同じバンステッドマナースタッドで繋養されていますが、怪物フランケルに強烈なライバルが登場したと言えそうです。

そのフランケルは、4RのG1セントジェームズパレスSでゴスデン=デットーリコンビのウイズアウトパロールで凱歌を上げています。これで4戦4勝、父は7戦7勝での勝利でしたから、ともに無敗でこのレースを父子制覇の快挙でした。ここが重賞初出走でまだ奥を秘めていそうな新星です。フランケルにとっては、日本のソウルスターリング、モズアスコット、イギリスのクラックスマンに続いて世界4頭目のG1ホースを誕生させたことになります。クラックスマンは2日目のG1プリンスオブウェールズSで直線早めに先頭に立つ王者の競馬をしましたが、刺客ポエッツワードの急襲に差し切られG1・4連勝を逃がしました。でもクラックスマンを徹底マークしたジェームズ・ドイル騎手の作戦勝ち勝つデットーリの油断負け?力負けではないでしょう。今後の日英フランケル対決の行方も楽しです。

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