きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

光と影

3月7日は、作田 誠二 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

アグネスゴールドをご記憶でしょうか?1998年に社台ファームで誕生、父サンデーサイレンス、母エリザベスローズの血統、セレクトセール8400万円で渡辺孝男さんに購買され、長浜博之厩舎に所属した馬です。父も牧場も馬主、調教師、鞍上に河内洋騎手を迎えていたことまで同期のアグネスタキオンとまったく同じです。デビューからタキオンが4連勝で皐月賞を制覇したのと同じように、無傷の4連勝を飾ったのも瓜二つでした。不幸にも似なくて良いところまで似てしまい、タキオンは脚部不安で引退、ゴールドは骨折で長期休養の末に屈腱炎を発症して現役を退いています。

“光速の貴公子”と華やかに持て囃されたタキオンを「光」とすれば、脚部難で度々の休養を余儀なくされたゴールドは「影」のような寂しげな印象に付きまとわれています。タキオンはサンデーサイレンス2世として初めてリーディングサイアーに輝くなど大成功を収めますが、8世代を残しただけで早逝したその頃、ゴールドは日本、アメリカを経てブラジルに新天地を求めていました。陽気でポジティヴなラテンアメリカの水があったのか、ゴールドは複数のG1馬を輩出して偉大なサンデーサイレンスの血の伝道者として存在感を増していきます。

先週日曜にリオデジャネイロにあるガヴェア競馬場で行われた3歳牝馬のG1ディアナ大賞でアグネスイズゴールドが快勝、彼女自身2つ目のG1金メダルを首にかけました。あり余るスピードで勝負するタイプだということです。日本の芝にも合いそうな期待が膨らみます。秋のジャパンCで里帰りするなんてドラマが実現しないでしょうか?そんな夢を見る一方で、御年20歳と高齢を迎えたアグネスゴールドがタキオンの分まで健康に元気で長生きしてもらいたいと願うばかりです。

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