きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2018.2.22

帰ってきた人気スターホース

2月22日は、河内 洋 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

先の日曜のG1フェブラリーSでノンコノユメがG3根岸Sに続いて、東京の直線で鮮やかな追い込みを決めて、去勢手術後に「もうノンコは終わった」と真顔で囁かれたほどの大不振から復活しました。そんなノンコに勇気をもらったに違いないのが、香港の人気者パキスタンスターでしょう。彼はデビュー戦で大出遅れをしでかして4コーナーに近づいても、まだ大きく離された最後方。握り締めていた馬券を誰もが放り出したくなったその時に、鎖を解かれた野獣のように猛然と追い込みを開始して、ゴールではとうとう差し切ってしまったのです。ノンコと言うよりは、20年近くたった今でも、奇跡の追い込みと不滅の伝説になっているブロードアピールを思い起こさせる一陣の嵐でした。

こういう馬にファンの声援が集まらないわけがありません。彼は出走のたびに出遅れては追い込むの連続で香港きっての人気者になり、同時に着実に地力を強化して香港三冠レースで強豪ラッパードラゴンのライバルとして名を売るまでに成長します。しかし悲劇の発端は三冠後のゴールデンウィークの香港G1シリーズ。史上初の三冠馬に輝いたラッパーはチャンピオンズマイルで歴戦の古馬相手に堂々1番人気に推されますが、レース中の事故で予後不良の悲運に襲われ、クイーンエリザベス2世Sへ挑戦したパキスタンは古豪ワーザーの2着に健闘しますが、その直後のレースで突然競走中止して競走意欲喪失と判定され出走停止となります。

アメリカから「馬と話ができる」馴致のプロフェッショナルを招聘して懸命の矯正に取り組み、2度のバリアトライアル(能力検定試験)に合格して復帰にメドが立ったのが8か月後のことです。そのパキスタンスターが今週シャティンで施行のG1香港ゴールドCに出走します。ワーザーを筆頭にG1馬が顔を揃えて楽な相手ではありませんが、今は亡きラッパードラゴンの分まで頑張ってくれることを、香港中の競馬ファンが強く熱く願っています。