きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

トーセンスターダム頑張る!

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オーストラリアに移籍して、先日G1エミレーツSで2つ目のG1勝利をもぎ取ったトーセンスターダムの種牡馬入りが決定しました。日本でデビュー3連勝でG3きさらぎ賞を勝ち、文字通りスターダムに乗った馬ですが、ダービーでの逸走気味のアクシデントや遠征先のオーストラリアで鼻出血を発症して目標のG1クイーンエリザベスSを取り消すなど不運も重なりました。それでも異国の地にあって自力で這い上がって来たのですから立派です。褒めてあげたいと心から思います。これから先の種牡馬生活もライバルが多くて大変ですが、持ち前の諦めない勝負根性で頑張ってくれるでしょう。

ご承知のようにオーストラリアは世界有数の馬産大国で、北海道一極集中の日本とは異なり、広大な国土に牧場が点在する事情から種牡馬数需要は高くなります。加えて世界最大のデインヒル王国でもあり、サンデーサイレンス系など異系の血への関心も熱を帯びています。一足先にシャトル供用されている同じディープインパクト系のリアルインパクトは、日本で80万円の種付け料が現地では倍額でもかなりの人気を集めています。今年からはディープのミッキーアイルやサンデーサイレンスの孫世代モーリスもシャトルで乗り込んでいます。豪華絢爛なラインナップです。

現在、オーストラリアで起きていることは、遠からず世界中に広がっていくことになるのでしょう。ヨーロッパを席巻しているガリレオを筆頭とするサドラーズウェルズ系、オーストラリアなどオセアニアではデインヒルが、世界一の馬山国アメリカではミスタープロスペクター系、A.P.インディから派生するシアトルスルー系、そしてノーザンダンサーの末裔たちがしのぎを削り、日本ではサンデーサイレンスの血が主流を占めています。これらが遠からず大融合する日も遠くないのでしょうが、それも魁として異国で頑張るトーセンスターダムたちの活躍次第ということになるのでしょう。ぜひ良い仔を出してほしいものです。

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