きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

オブライエン師の貪欲

11月9日は、川須 栄彦 騎手、五十嵐 忠男 調教師、石毛 善彦 調教師、堀 宣行 調教師、湯窪 幸雄 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

外国馬のレースへの出否はゲートインが始まるまで、正直なところ分かりません。馬場状態などによって直前に出走回避するのは当たり前です。そんなわけで3週間近くも先のジャパンCへの出走となると神様にも予測不能な領域となります。そんな雲を掴むようなお話になってしまうのですが、世界競馬のトップランナーと自他ともに認めるアイルランドの超名門エイダン・オブライエン厩舎が日本のジャパンCに刺客を送り込むという話題が競馬ファンをワクワクさせています。師はこれまで、G1を世界各国で、多い順にイギリス、アイルランド、フランス、アメリカ、イタリア、カナダ、オーストリア、ドバイ、香港と9カ国・地域にまたがり実に合計320勝と気の遠くなるような数字ですが、日本ではまだ勝っていません。

先日の英G1レーシングポストトロフィーをディープインパクト産駒のサクソンウォリアーで今季通算26勝目をもぎ取り、偉大な故ボビー・フランケル師が打ち立てた年間25勝のG1獲得世界記録を破っています。その後、アメリカのブリーダーズCでも1勝を追加し現在27勝と記録を延ばしました。通算320勝も含めて誰にも破られない不滅の金字塔でしょうね。そんなオブライエン師にも気がかりが一つあります。名門を牽引する黄金の機関車ガリレオのことです。彼は昨年G1・24勝と自身のキャリアハイを達成し、今季も23勝と相変わらず元気一杯!そうなると師の世界記録とともに彼の記録更新で両手に花といきたいのは人情です。

ブリーダーズCでガリレオは勝てませんでした。残されたチャンスは事実上、日本と香港だけ。そこで白羽の矢が立ったのはガリレオ産駒の全兄弟、兄ハイランドリールは香港ヴァーズへ、そして弟アイダホで日本制覇を狙うプランです。アイランドリールはG1を勝ちまくっている世界的強豪として有名ですが、弟もG1未勝利とはいえ、英ダービー3着、愛ダービー2着の実力派です。硬い馬場が得意なのは兄同様なはずで、日本でもガリレオの血が通用することを大舞台で証明したい思いが師には根強くあるはずです。鞍上も一足先に来日しているライアン・ムーアで決まりですね。どこまでも勝利に貪欲なエイダン・オブライエン厩舎に引き続き大注目です。

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