きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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明日の中山メイン・カペラSにフェラーリピサが出走します。一昨年の日本テレビ盃2着以来の実戦ですから、実に27ヶ月ぶりのレースということになります。

エルムS、根岸SとG3を2勝し交流重賞でも常に上位争い、ダート界では隠れもない強豪です。長期休養明けの実力馬の再起は悲喜こもごもです。今年春に23ヶ月ぶりに復帰したカジノドライヴは遂に本来の姿を取り戻せないままに引退しました。種牡馬として素晴らしいスピードと馬体を伝えられるのは、この馬にとっても、ファンにとっても幸せなことでした。

暗もあれば明もあります。カネヒキリは28ヶ月ぶりの武蔵野Sを一叩きして、ジャパンCダート、東京大賞典、川崎記念と3連勝して見事な復活を遂げフェブラリーSに挑みます。

09年のこのレース、ダート史上最高のレベルだと思っています。大逃走を企てるエスポワールシチーをカジノドライヴが馬なりで交わしてゴールをめざすと内からカネヒキリが、外からサクセスブロッケンが迫り、凄絶な叩き合いの末にブロッケンが追うものの強みかクビだけ先に出てレコード勝ちを飾りました。

2着はカジノドライヴがさすがの粘りを発揮し、追いすがったカネヒキリがアタマ差の3着、エスポワールシチーもその後の王者ぶりを暗示させる4着、そしてフェラーリピサがそれに続きます。一方の雄ヴァーミリアンに先着する健闘でした。

このフェブラリーSがダート史上のベストレースなら、フェラーリピサにとってもベストレースだったと思います。ブロッケン、カジノドライヴ、カネヒキリ、本当に強い馬たちでした。でも、もう誰もいません。時間がかかるかもしれませんが、チャンピオンホースたちの遺志を継いでほしいものですね。

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