きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

日本産馬が英ダービー1番人気?

10月26日は、黒岩 悠 騎手、鈴木 伸尋 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

今週末、英愛競馬圏で今季最後のG1レースが行われます。距離を1マイルに延ばしたレーシングポストトロフィーがそれで、絶好調のエイダン・オブライエン勢が大挙登録しています。今季は既に牝馬のクレミーがチェヴァリーパークS、ハッピリーは牡馬を向こうに回してフランス遠征のジャンリュックラガルデール賞を快勝しています。牡馬陣もスーネーションがフェニックスS、ユーエスネイヴィーフラックはミドルパークSとデューハーストSの二冠制覇など主要G1を独り占め状態。ヨーロッパの厩舎勢力図はオブライエン勢とそれ以外とに二分される印象すらあります。

これだけ豊富な手駒を持ちながら、レーシングポストトロフィーでは真打ち候補2頭を出走させる構えですから戦力の幅広さ奥深さには驚くばかりです。現時点で来年のダービー1番人気に祭られているザペンタゴンというガリレオ産駒がその1頭で、ライバルに上げられているのがノーザンファームで生まれたディープインパクト産駒のサクソンウォーリアという日本産馬です。前走のG2ベレスフォードSはマイル戦でしたが、勝ち時計は1分46秒45、日本の良馬場であれば1800m戦の走破時計と大きな違いはありませんが、低レベルと疑っちゃいけません。歴代勝ち馬にはサドラーズウェルズやシーザスターズを筆頭に、レジェンド級の名馬が顔を揃えています。今年の凱旋門賞では日の丸代表を張ったディープインパクト産駒が経験したこともない重い馬場に推進力を奪われ失速、馬群に沈みました。しかしサクソンはアイルランド生まれの母メイビーの影響もあるのでしょうが、蹄に水掻きを付けて生まれてきたような道悪巧者。同じディープ産駒でも生まれや育ちが違うと、こんなに変わるものなのでしょうか?

現在のところブックメーカー各社は、ザペンタゴンを差し置いてサクソンウォーリアを1番人気に支持しています。もしここを勝つようなら、ダービーでの立場は逆転しそうです。日本のホースマンにとって夢のような出来事です。こういう日が本当にやって来るとは想像もしませんでした。でも究極の夢は日本調教馬でダービーの大舞台を揺るがせること!その第1ラウンドが、ガリレオVSディープインパクトの頂上対決で幕を開けます。週末は遥か競馬発祥の地イギリスのドンカスター競馬場にもご注目を。

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